東京スカイツリーは夜になると幻想的にライトアップされ、夜景撮影の絶好のスポットになります。今回は雨の日を狙い、ソニーα7IVとGMレンズを手に、押上エリアを約2時間かけて撮影してきました。広角から望遠まで使い分けることで、光の反射やきらびやかな表現を引き出し、スカイツリーの多彩な表情を切り取ることができました。
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東京スカイツリー夜景撮影の魅力とは?
東京スカイツリーは634mの高さを誇る東京のランドマークであり、夜間のライトアップは季節や曜日によって異なる演出が施されます。周辺エリアには北十間川や隅田川が流れ、水面に反射する光の表現が夜景撮影の醍醐味です。また、東武伊勢崎線の明かりや車のヘッドライト・テールランプを活かしたスローシャッター撮影による表現も可能で、光の軌跡を写真に残すことができます。
さらに、雨の日を選ぶことで、路面や川面に反射する光がより強調され、いつもとは違う幻想的な表現が可能になります。望遠レンズを使えばスカイツリーの建築美やディテールもクローズアップでき、広角から望遠まで多彩なバリエーションを楽しめるのが魅力です。

アクセス&今回のルート詳細
基本情報
- 撮影エリア:東京スカイツリー周辺(押上駅を中心に)
- 撮影日:2025年10月16日
- 所要時間:約2時間(21時~23時)
- アクセス:東京駅から約20分、押上駅下車
- 駐車場:ジャストパーク浅草第10(20時~8時利用で最大400円)
機材が多いこと、下手したら終電を逃す可能性、20時からは深夜料金で安くなることから車でのアクセスにしました。駐車場選びは場所によっては高額になることや出庫ができなくなる場合もあるので気を付けましょう!
撮影ルート詳細
今回のルートは以下の順で巡りました。
- 小梅児童遊園(~21:00)
- 源森橋、枕橋(~22:00)
- 駒形橋前フラワーコーナー(~22:30)
- 隅田公園、すみだリバーウォーク沿い(~23:00)

使用機材と設定
今回の撮影機材
今回は夜景かつ長時間露光がメインになるため、三脚は必須です。なくてもスカイツリーそのものを撮ることはできますが、同じ表現は難しくなります。
- カメラ:ソニー α7IV
- レンズ:SEL24F14GM(広角)、SEL70200GM2(望遠)
- 三脚:VANGUARD VEO 2GO 265HAB
- フィルター:Kenko クロスフィルター(4本クロス)
今回使用したカメラソニーα7IVは、の高感度性能を活かし、暗所でも安定した撮影ができます。
前半、スカイツリーに近い、小梅児童公園や源森橋では16~20mmくらいの超広角のレンズの方がよさそうです。24mmでは画角的にいっぱいいっぱいで余裕がないっす。
基本的な設定
全体を通しての基本設定は以下の通りです。
- 広角レンズで構図に工夫をだす
- スローシャッターで車や電車の光跡を表現(SS 1~5秒程度)
- ISO感度は1600~3200で調整
- 三脚の高さは、低めから高め(30cm~150cm)で状況に応じて変更
- RAW撮影で後処理の余地を残す
撮影スポット別・撮れ高の紹介
【スポット1】小梅児童遊園(~21:00)
撮影スタート地点として選んだのが小梅児童遊園。ゴール地点を考えるとここがスタートであるのが効率的と思います。ここにはポールオブジェがあり、広角レンズを活かした構図作りに最適です。オブジェとスカイツリーを組み合わせることで、より迫力のあるスカイツリーを表現することができます。
撮影のポイント
- 広角レンズ(24mm)でポールオブジェとスカイツリーを同時にフレームイン
- ローアングルで撮影することで広角の歪みを利用
- ポールのライトアップとスカイツリーのライトアップが同色になることや補色になることがあるので、そこを狙う

【スポット2】源森橋、枕橋(~22:00)
北十間川に掛かる源森橋と枕橋は、川沿いの街灯やお店の光がスカイツリーと一緒に写せる絶好のスポットです。それらが、より絵面をきらびやかに表現してくれます。
また、高架には東武伊勢崎線の線路があり、タイミングが合えば電車の光をスローシャッターでレーザー状に表現できます。そして、車道を挟むことで、車のヘッドライトやテールランプも光の軌跡として構図に取り込めます。1スポットで何カットも撮れるのはいいことです。
撮影のポイント
- 川沿いの街灯を前景に配置し、スカイツリーを背景に
- スローシャッター(1~3秒)で電車や車の光跡を表現
- 橋の最前と、車道を挟んだ場所とで構図に変化を加える



このあとのスポットは本当はすみだリバーウォークのつもりでしたが、時間的に22時の閉門になってしまったので、先に駒形橋前フラワーコーナーへ向かいます。
【スポット3】駒形橋前フラワーコーナー(~22:30)
大きな交差点の奥にドンと構えるスカイツリーが確認できるスポット。車の往来も多いため、スローシャッターで車のヘッドライトとテールランプをレーザー状に表現できます。
ただし、思ったより狭い場所で、夜遅くでも人の交通量があるため、三脚を立てる際は通行人の邪魔にならないよう配慮が必要です。フラワーコーナーということもあり、花壇が目の前にあるので決して踏み入らないよう注意しましょう。
東京スカイツリー周辺では、過去に十間橋で撮影トラブルがあり三脚使用が禁止になった例があります。撮影マナーを守り、他の撮影者や通行人への配慮を忘れずに。
撮影のポイント
- 交差点の車の光跡をスローシャッターで表現(3~5秒)
- 三脚は低めに設定し、濡れた路上を構図に入れる
- 花壇を前景に入れる場合は踏み入らないよう注意
- 撮影は短時間で切り上げ、他の撮影者がいる場合は譲り合う
- 望遠レンズでスカイツリーの先端をクローズアップ


【スポット4】隅田公園、すみだリバーウォーク沿い(~23:00)
撮影の締めくくりとして訪れたのが隅田公園エリア。東武伊勢崎線が隅田川を渡る橋を構図に入れることができ、手前の隅田川に反射させることで、よりきらびやかな印象になります。
すみだリバーウォークは22時までなので注意が必要です。今回は枕橋での撮影が22時になってしまったため、先に駒形橋前フラワーコーナーを撮影し、吾妻橋を渡ってアクセスしました。
撮影のポイント
- すみだリバーウォークと隅田川、スカイツリーを組み合わせた構図
- 様々な光が入るので、クロスフィルターを使って、キレイな光芒を表現
- すみだリバーウォークの利用時間(22時まで)に注意
- 吾妻橋からのアクセスも視野に入れてルートを調整

夜のスカイツリー撮影で意識したこと
夜の撮影にこだわる理由
スカイツリーは昼間も美しいですが、夜は光の演出が加わることで、さまざまな表情を見せてくれます。街灯、電車の光、車のヘッドライト・テールランプなど、多彩な光源を活用することで、よりきらびやかな表現が可能になります。
雨の日を選ぶメリット
雨の日は路面や川面が濡れることで、光がより強く反射します。普段は見られない幻想的な雰囲気を写真に収められるため、積極的に雨の日を狙うのがおすすめです。
ただし、レンズに水滴が付くこともあるので、撮影時にはこまめに拭き取れる準備をしておきましょう。残しておくと写真に玉ボケのようなものが出てしまうため注意が必要です。
望遠レンズも活用する
広角レンズで全景を撮るのも良いですが、望遠レンズを使って建物のディテールやクオリティを伝えるのも効果的です。スカイツリーそのものの質感や、ライトアップの細部を表現できます。
特にスカイツリー先端だけをミニマルに切り取ると、発光している部分が際立ち、それ単体でも印象的な作品になります。

三脚の高さを意識する
三脚は高さを変えることで、写せるものが大きく変わります。アイレベル(130~150cm)では写らないものもあるため、雨で濡れた地面や車のレーザー(光跡)をうまく構図に入れるには、膝くらいの高さ(30cmくらい)で設置することも選択肢に入れましょう。
撮影マナーを守る
東京スカイツリー周辺は人気の撮影スポットですが、過去にトラブルがあり十間橋では三脚使用が禁止になった経緯があります。撮影時は以下の点に注意しましょう。
- 三脚は通行人の邪魔にならない場所に設置
- 他の撮影者がいる場合は短時間で撮影し、譲り合う
- 花壇や立入禁止エリアには踏み入らない
- 車道や橋の上では安全に配慮して撮影する
マナーを守った撮影を心がけることで、今後も素晴らしい撮影スポットが維持されます。
写真界隈ではこのスカイツリーに限らず、マナー違反やトラブルによって素晴らしいスポットでの撮影が禁止されてしまうことが、しばしばあります。
まとめ
東京スカイツリー周辺の夜景撮影は、約2時間で4つのスポットを巡ることで、多彩な表情を切り取ることができました。広角レンズで全景を、望遠レンズでディテールを撮影し、雨の日の反射やスローシャッターでの光跡表現を活用することで、きらびやかで幻想的な作品が完成します。
撮影マナーを守りながら、夜の光の演出を存分に楽しめるスカイツリー周辺は、初心者から中級者まで楽しめる撮影スポットです。ぜひ雨の夜を狙って、あなたもスカイツリーの多彩な表情を写真に収めてみてください。

