カメラで撮った写真が、思っていた色合いと違った経験はありませんか?そんな時に知っておきたいのが「ピクチャースタイル」や「クリエイティブスタイル」という機能です。この記事では、写真の色調や質感を決めるこれらの設定について、初心者の方にもわかりやすく解説します。
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ピクチャースタイル・クリエイティブスタイルとは?
「ピクチャースタイル」(Canon)や「クリエイティブスタイル」(Sony)は、撮影時の画像処理設定のことです。簡単に言えば、カメラが自動で写真の色合いや質感を調整してくれる機能のことです。

フィルムカメラ時代でいう「フィルムの種類」のようなもの。デジタルカメラではこの種類をいろいろ試すことができるぞ。
メーカー別の呼び方の違い
この機能はカメラメーカーによって名称が異なります:
- Canon:ピクチャースタイル
- Sony:クリエイティブスタイル
- Nikon:ピクチャーコントロール
- Panasonic・LUMIX:フォトスタイル
- FUJIFILM:フィルムシミュレーション
名前や厳密な色合いは異なりますが、基本的な思想や機能は同じです。
代表的なスタイルの種類と特徴
どのメーカーでも、基本的には以下のような設定が用意されています:
スタンダード(標準)
最もバランスの取れた設定。初心者の方はまずここから始めるのがおすすめです。自然な色合いで、多くのシーンに対応できます。

ヴィヴィッド(鮮やか)
色彩が鮮やかになり、コントラストも強くなります。青空や花などをより印象的に撮りたい時に効果的です。


ポートレート
人物撮影に最適化された設定。肌色が美しく、柔らかな質感になります。家族や友人を撮る時におすすめです。


風景
風景撮影に特化した設定。空の青さや緑の鮮やかさが強調され、メリハリのある写真になります。
私が使っているα7IVでは、「風景のため」のスタイルは用意されていないようです。
モノクローム(白黒)
白黒写真を撮影できます。アートな表現を楽しみたい時や、被写体の形や質感を強調したい時に使います。


どんな時にどのスタイルを使う?
撮影シーン別におすすめの設定をご紹介します:
日常のスナップ撮影
スタンダードがおすすめ。自然な色合いで、どんなシーンでも安定した仕上がりになります。
人物・家族写真
ポートレートを選択。肌色が美しく表現され、人物が魅力的に写ります。
旅行・観光地での撮影
風景やヴィヴィッドで、印象的な写真に。青空や緑がより鮮やかに表現されます。
料理・グルメ撮影
ヴィヴィッドで食材の色を鮮やかに。美味しそうに見える写真が撮れます。
設定方法はとても簡単
ほとんどのカメラで、以下の手順で設定できます:
- メニューボタンを押す
- 撮影設定または画質設定を選択
- ピクチャースタイル(クリエイティブスタイル)を選択
- 好みの設定を選んで決定
機種によっては、撮影モードダイヤルやファンクションボタンからも素早く変更できます。
RAW撮影なら後から変更も可能
RAW形式で撮影している場合は、撮影後にパソコンでスタイルを変更することも可能です。ただし、JPEG撮影の場合は撮影時の設定が固定されるため、事前に適切な設定を選んでおくことが大切です。
Lightroomや各メーカーの純正ソフトを使えば、RAWファイルから様々なスタイルを試すことができます。
先ほどの作例もすべてLightroomで編集し出力したもの。RAW形式は同じ写真でも劣化なくいろんな色合いを作ることができるのがとてもメリット。

初心者が避けがちな失敗パターン
設定を変えたまま忘れてしまう
モノクロに設定したまま、カラー写真を撮ろうとして「あれ?」となるパターン。撮影前に設定を確認する習慣をつけましょう。
私は作風安定のため常に固定して利用中。α7IVには「FL(フィルム調)」があるのでそれを少しいじっていたりしているよ。
シーンに合わない設定で撮影
人物をヴィヴィッドで撮ると肌色が不自然になることも。被写体に合わせた設定選択が重要です。
カスタム設定で自分だけのスタイルを
慣れてきたら、プリセットを基準に自分好みに微調整することも可能です。コントラスト、彩度、シャープネスなどを個別に調整して、オリジナルのスタイルを作ってみましょう。
- コントラスト:写真のメリハリを調整
- 彩度:色の鮮やかさを調整
- シャープネス:輪郭の鮮明さを調整
まとめ|写真の印象でモチベーションを上げよう
ピクチャースタイルやクリエイティブスタイルは、写真の印象を決める重要な要素です。最初はプリセットから始めて、徐々に自分の好みや撮影スタイルに合わせて調整していけば、より魅力的な写真が撮れるようになります。
写真を撮った時に「いいな」と思えることは、写真・カメラを続けることにおいてとても重要な要素です。「撮影体験」をよりよくするための一つの手法として、この設定を使いこなせるようにいろんな設定で試しておきましょう。