🏙 撮影スポット探訪記

奥多摩の紅葉登山|ふれあい森林浴コースで見つける秋の撮れ高と山岡家特製味噌

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「奥多摩で紅葉を撮りたい」「山道の撮影って初心者でも大丈夫?」そんな疑問を抱えていませんか?今回は、東京都心から車で約1時間30分の奥多摩エリアで、紅葉を求めて登山スナップに挑戦しました。奥多摩観光協会が推奨する「ふれあい森林浴コース」を参考に、JR奥多摩駅から愛宕山・登計峠を巡る約1時間30分のルートを歩き、中望遠レンズで切り取る秋の風景と、撮影後の山岡家での激ウマラーメンまで、余すことなくお伝えします。

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奥多摩へのアクセスと基本情報

立地・アクセス

奥多摩は東京都西多摩郡に位置する、都心からアクセスしやすい山岳エリアです。今回は車で訪れましたが、電車でも気軽に訪問できるのが魅力です。

  • 車でのアクセス:新宿駅から中央自動車道経由で約1時間30分
  • 電車でのアクセス:JR中央線・青梅線経由で奥多摩駅まで約2時間弱
  • 駐車場:奥多摩駅周辺に有料駐車場あり(日帰り温泉施設の駐車場も利用可能)
  • トイレ:JR奥多摩駅、奥多摩総合運動公園などに設置

奥多摩観光協会の公式サイトでは、ハイキングコースの詳細や最新情報が確認できます。事前にチェックしておくと安心です。

新宿駅から奥多摩までの経路
奥多摩駅の駅舎と紅葉

撮影日時と使用機材

今回の撮影は2025年11月12日(水)13:00からスタートしました。11月中旬の奥多摩は紅葉のピーク時期で、色鮮やかなモミジやイチョウが楽しめます。天候にも恵まれ、中望遠レンズの圧縮効果を活かした撮影が楽しめる絶好のコンディションでした。

使用機材

  • メインカメラ:Sony α7IV
  • メインレンズ:SEL70200GM2(中望遠ズーム)
  • サブレンズ:SEL24F14GM(広角単焦点)
  • フィルター:Kenko C-PLフィルター
  • サブカメラ:FUJIFILM X100V

今回のメイン機材はSEL70200GM2です。中望遠域の圧縮効果を活かして、鬱蒼とした木々や遠くの紅葉を引き寄せる撮影を中心に行いました。広角が必要だと思った場面ではSEL24F14GMでカバーしました。

撮影ルート|ふれあい森林浴コースを歩く

今回のルートは、奥多摩観光協会が提供する「ふれあい森林浴コース」を参考にしました。JR奥多摩駅を起点に、渓谷沿いの遊歩道から山道へと入り、登計峠・愛宕山を経て再び駅周辺に戻る周回ルートです。

ハイキングマップ

①JR奥多摩駅からスタート

奥多摩駅を降りると、すでに周辺には紅葉が色づき始めています。駅前で入念にマップを確認し、準備と呼吸を整えたらスタートです。まずは駅から徒歩5分ほどで、多摩川と日原川の合流地点にある渓谷遊歩道入口へ向かいます。

②奥氷川神社

ルートの序盤に立ち寄りたいのが奥氷川神社。奥多摩の総鎮守として知られる歴史ある神社で、境内の木々も秋色に染まっています。参拝を済ませたら、神社の脇から氷川渓谷遊歩道へと入ります。

奥氷川神社の紅葉

③多摩川沿い(氷川小橋、登計橋)

遊歩道は多摩川沿いに続き、清流のせせらぎと紅葉のコラボが楽しめます。途中には氷川小橋登計橋という2つの吊り橋が架かっており、橋の上からの眺めは絶景です。橋を渡りながら、川面に映る紅葉や対岸の木々をフレームに収めました。

多摩川沿いの紅葉
澄んだ川と紅葉

④奥多摩総合運動公園

登計橋を渡った先から奥多摩総合運動公園までは、川のせせらぎが微かに聞こえる暗い道と静かな住宅街を通り抜けます。少し不安な気持ちを抑えつつ、先に進みましょう。木々の隙間からは奥の紅葉も見れて少し嬉しい気持ちになります。

鬱蒼と生い茂る木々
木々の隙間から覗く紅葉

⑤セラピーロード

運動公園を抜けると、日本初の森林セラピー専用ロード「登計トレイル」に入ります。ここまでは比較的歩きやすい道でしたが、セラピーロードからは本格的な山道になります。杉林の小径を進むと、静寂に包まれた森の中へ。木漏れ日が差し込む中、紅葉した木々が幻想的な雰囲気を醸し出しています。

奥多摩森林セラピーロードの標識
杉林に差し込む陽の光

このセラピーロードは2~30分ほどの道のりです。途中には森林浴用のベンチや、宿泊施設などが設置されており、この場所でのセラピーを本気で設計しているんだなと実感できます。

森林浴用のベンチ
山中の宿泊施設

⑥登計峠、愛宕山

セラピーロードを進むと、登計峠に到着します。ここからは細く荒れた道が続き、登山初心者には少し厳しい区間だと思いました。足元に注意しながら進むと、愛宕山(標高507m)の分岐に到着。愛宕神社の小さな祠があり、ここで一息つきました。

愛宕山への標識
2m近い高さの崖を登る
hatta

相当危険を感じました。少しバランスを崩して踏み外したら滑落です。その道の中でも上記の崖のような高さの石段には絶句しました。安全第一とするなら、この辺で引き返しても良いです。

⑦登計園地

愛宕山を越えると、登計園地と呼ばれる開けたエリアに出ます。ここからはより一層、樹海感が増していきます。途中にはベンチやテーブルもあるので、ここで休憩しながら景色を楽しむのもおすすめです。

倒れた大木と生い茂る草木
ふれあい広場のベンチとテーブル

⑧氷川キャンプ場前

登計園地から下り道を進むと、氷川キャンプ場の前に出ます。ここからは再び整地された道になり、多摩川沿いの道を駅方面へ戻ります。キャンプ場の周辺にも紅葉が広がっており、最後まで秋の風景を楽しめました。

氷川キャンプ場前の光景
奥多摩の山々

⑨街中へ戻ってゴール

キャンプ場から多摩川沿いの道を進み、奥多摩駅周辺の街中へ戻ります。約1時間30分の撮影登山は、疲労感とともに充実感に包まれてゴール。駅周辺には日帰り温泉「もえぎの湯」もあるので、汗を流してから帰るのもいいでしょう。

奥多摩フードコート
フードコートもあるので、ご飯にも困らない

撮影テクニック|中望遠で切り取る奥多摩の秋

SEL70200GM2の圧縮効果で鬱蒼とした木々を表現

今回の撮影でメイン運用したのがSEL70200GM2です。中望遠域の圧縮効果を活用することで、少し離れた被写体にフォーカスを合わせ、鬱蒼とした木々が密集しているような風景を作り出すことができます。

特に、セラピーロードから登計峠にかけての森の中では、手前の暗い木々と奥の日の当たった紅葉を圧縮して撮影することで、奥行きのある立体的な写真に仕上がりました。焦点距離は100mm~200mmを中心に使用し、F値は4~5.6で背景をほどよくぼかしながら、主題の紅葉を際立たせました。

木々の奥に見える紅葉
木々の奥に見える紅葉

PLフィルターで色を引き出す

今回もKenko C-PLフィルターが大活躍です。紅葉の葉は表面がツルツルしているため、太陽光が反射して白っぽく写ってしまうことがあります。PLフィルターを使うことで、葉の反射を抑え、深みのある赤や黄色を引き出すことができます。

特に、日の当たっている場所を被写体のメインに据え、PLフィルターを回転させながら最も色が鮮やかに見える角度を探しました。フィルターを覗きながら調整するのは慣れが必要ですが、何度も試すことで感覚が掴めてきます。

アイキャッチ
PLフィルターで紅葉が変わる|α7IVユーザーの使用感初めてPLフィルターを購入したα7IVユーザーが、Kenko PRO1D eta C-PLの使用感をレビュー。紅葉撮影での効果、水面の反射除去、青空コントラスト強調など実例を交えて解説。デメリットや注意点、夜景・水たまりへの効果も検証。...
モミジ

紅葉・青空・被写体を画角に収める

構図を考える際に意識したのは、紅葉・青空・被写体(建物や木々)の3つを画角に収めることです。紅葉だけを撮ると平面的な印象になりがちですが、青空を入れることで写真に奥行きが生まれます。また、奥氷川神社の鳥居や吊り橋など、人工物を被写体として入れることで、写真にストーリー性が加わります。

広角レンズがあれば3つの要素を入れやすいですが、中望遠でも角度を工夫することで十分に表現できます。ただし、広角の方が自由度が高いため、状況に応じてSEL24F14GMも活用しました。

赤い橋と川と紅葉
青空と紅葉

日の丸構図・対角線構図を意識

構図の基本として、日の丸構図対角線構図を意識しました。日の丸構図は、被写体を画面中央に配置するシンプルな構図で、主題を強調したいときに効果的です。一方、対角線構図は、画面の対角線上に被写体を配置することで、動きや奥行きを演出できます。

例えば、対角線構図で手前の紅葉の葉を斜めに配置する際、奥の建物が不自然な角度にならないよう注意が必要です。構図を優先しすぎると、背景が傾いて違和感が出ることがあるため、バランスを見ながら調整しました。

青空とイチョウ
木々と紅葉
斜めになってしまった紅葉の構図

登山時の注意点|初心者は特に要注意

しっかりとした服装と持ち物

今回のコースでは、セラピーロードまでは軽いスナップができる平坦な道ですが、それ以降は登山初心者には厳しさのある荒れて細い道が続きます。以下の装備を整えておくことをおすすめします。

  • 靴:トレッキングシューズや滑りにくい靴(スニーカーでは滑りやすい)
  • 服装:温度調整しやすい重ね着スタイル(山中は気温の変化が大きい)
  • 持ち物:水分、行動食、レインウェア、ヘッドライト(万が一に備えて)
  • 熊対策:熊鈴や笛など、音の出るもの(秋は熊が活発的になる時期)

奥多摩町の公式サイトでも、ツキノワグマへの注意喚起がされています。秋は熊が冬眠前に活発に活動する時期のため、熊鈴などの対策は必須です。

熊遭遇の注意

紅葉の見頃時期

奥多摩の紅葉は、例年10月下旬~11月中旬が見頃です。今回の撮影日(11月12日)はちょうど見頃が始まった時期で、モミジやカエデが鮮やかに色づいていました。紅葉名所の情報サイトによると、奥多摩湖畔や御岳渓谷も同時期に見頃を迎えるため、合わせて訪れるのもおすすめです。

撮影後のお楽しみ|山岡家に行こう

撮影を終えた後は、車で約1時間ほどの場所にある山岡家 青梅店へ向かいました。奥多摩駅から山岡家青梅店までは約25km、車で40分ほどの距離です。駐車場も広く、満車で困ることはなさそうです。

山岡家

特製味噌ネギラーメンで身体を温める

hatta

ここからはその場の勢いと雰囲気で表現していきましょう。

山岡家に到着したら、迷わず特製味噌ネギラーメン(ふつう、ふつう、ふつう)を注文。さらに海苔、バター、卵をトッピング。チャーハンも追加しました。待機中は後ろにあるセルフサービスのお水を飲みながら、じっくり腹を空かせている実感を噛みしめます。

山岡家のラーメン
着丼!

まずはスープから。ゴクリ。

脊柱起立筋あたりから、助走をして脳への刺激がグンヌッと突き刺さります。少し辛みのある味噌とんこつのコク、油の甘さのパンチ。少しクラっとしたところで、麺をすすり少しずつ、初撃で壊された脳が、再構築されていきます。

ネギも一緒に麺と啜ります。心地よいシャキシャキの音とともに、耳が機能していたんだと認識します。

増した海苔をしっかりバターが染みたスープに浸して、いざチャーハンへ。スープとチャーハンとコロコロしたチャーシューがよく合います。

今度はジャンとニンニクを海苔の上に置き、それをスープに浸し、チャーハンに沿えて喰らう。感情が戻ってきた気がします。

ラストスパート。卵を半分に割って、レンゲの上でスープと黄身を溶かしながら海苔で丸めて、スープと一緒に喰らいます。まさに目が飛び出るほどのうまさです。うまい。

ようやく周りのことを認識してきましたが、どうやらほかの客も同じようで、一心不乱にズルズルと啜っています。

再度、残った麺をすすりながらチャーハンを食い尽くします。少し具が残ったラーメン丼からスープと共に拾ってやって、しっかり飲み込みます。ただし、完飲は身体によくないので、ここまで。

良いラーメンでした。

山岡家はすごくいいぞおじさん

すごくいいぞ

まとめ|奥多摩の紅葉登山で撮れ高を最大化しよう

今回は、奥多摩の「ふれあい森林浴コース」を歩きながら、紅葉スナップを楽しみました。JR奥多摩駅から気軽にスタートでき、渓谷沿いの遊歩道から山道へと変化に富んだルートは、初心者から中級者まで楽しめる内容です。ただし、登計峠から愛宕山にかけての区間は細く険しい道が続くため、しっかりとした装備と注意が必要です。

SEL70200GM2の圧縮効果PLフィルターを活用することで、鮮やかな紅葉と奥行きのある風景を切り取ることができました。構図も日の丸構図や対角線構図を意識することで、バリエーション豊かな写真が撮影できます。

そして、撮影後のご褒美として訪れた山岡家 青梅店のラーメンは、疲れた身体に染み渡る最高の一杯でした。郊外中心にある山岡家は混雑も少なく、落ち着いて味わえるのが魅力です。

奥多摩の紅葉は11月中旬がピークですが、下旬まで楽しめるスポットも多くあります。ぜひカメラを持って、秋の奥多摩へ足を運んでみてください。きっと素晴らしい撮れ高が待っているはずです!

奥氷川神社の猫
光に透ける紅葉
山中の森林浴ベンチ
色が移る紅葉