カメラを手にしたとき、「ファインダーを覗いて撮るのと、液晶モニターを見て撮るのって何が違うの?」と疑問に思ったことはありませんか?実は、カメラの撮影方法にはいくつかの種類があり、それぞれに特徴があります。
この記事では、モニター(液晶画面)とファインダーの違い、そしてEVF(電子ファインダー)とOVF(光学ファインダー)について、カメラ初心者の方にもわかりやすく解説します。
まず結論から言うと、モニターは「スマホと同じ感覚」、ファインダーは「望遠鏡を覗く感覚」と考えるとイメージしやすいでしょう。


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「📘初めてのカメラ教室|初心者向け使い方」シリーズの前回記事はこちら↓

モニター撮影とファインダー撮影って何が違うの?
カメラでの撮影方法は、大きく分けて2つあります:
- モニター撮影(ライブビュー撮影):カメラの背面液晶画面を見て撮影
- ファインダー撮影:カメラ上部の小窓を覗いて撮影
キヤノンの公式サイトによると、ライブビューとは「イメージセンサーからの映像をカメラ背面の液晶モニターで表示させ、ファインダーではなく液晶モニターで被写体を確認しながら撮影する方法」と定義されています。
🔍 モニター撮影の特徴
- スマホと同じ感覚で撮影できるので初心者にやさしい
- 大きな画面で構図を確認しやすい
- 明るい屋外では画面が見えにくい場合がある
- バッテリー消費が多い
🔍 ファインダー撮影の特徴
- 手ブレしにくい姿勢で撮影できる
- 動く被写体を追いやすい
- 明るい場所でも見やすい
- バッテリーが長持ち(光学ファインダーの場合)
ファインダーには2つの種類がある!
ファインダーには「OVF(光学ファインダー)」と「EVF(電子ファインダー)」という2つの種類があります。この違いを理解すると、カメラ選びがとても楽になりますよ。


🌟 OVF(光学ファインダー)とは?
OVFは「Optical View Finder」の略で、一眼レフカメラに搭載されているファインダーです。レンズから入った光を、カメラ内部の鏡(ミラー)やプリズムで反射させて、そのまま目で見る仕組みです。
まさに「生の景色」を見ているような自然な感覚で撮影できるのが特徴です。
✨ OVFのメリット
1. 自然でタイムラグのない見え方
実際の光をそのまま見るので、遅延がまったくありません。動く被写体も自然に追えて、まるで肉眼で見ているような感覚です。
2. バッテリーが長持ち
電子部品を使わないため、電力を消費しません。一日中撮影していても、バッテリー切れの心配が少なく済みます。
3. 暗い場所でもクリア
薄暗いカフェや夕暮れでも、電子画面のように画質が荒れることがなく、肉眼で見るのと同じクリアさを保てます。
⚠️ OVFのデメリット
1. 撮影結果がわからない
明るさや色味の設定を変えても、ファインダー越しでは変化がわかりません。撮ってみて「思ったより暗い…」なんてことも。
2. カメラが大きくて重い
ミラーやプリズムといった部品が必要なため、どうしてもカメラ本体が大きく重くなってしまいます。
3. 撮影情報が見にくい
シャッタースピードや絞りなどの設定情報は、ファインダーの隅に小さく表示されるだけ。詳細な情報確認には慣れが必要です。
🌟 EVF(電子ファインダー)とは?
EVFは「Electronic View Finder」の略で、ミラーレスカメラの主流となっているファインダーです。センサーで捉えた映像を小さな液晶画面に映し出し、それを覗いて構図を決める仕組みです。
いわば「小さなテレビ画面」を覗いているイメージです。
✨ EVFのメリット
1. 撮影前に仕上がりが確認できる
明るさや色味の調整をリアルタイムで確認できるので、「こんなはずじゃなかった」という失敗が格段に減ります。初心者にはとても心強い機能です。
2. 豊富な情報表示
ヒストグラム(明るさの分布)、水準器、グリッドラインなど、撮影に役立つ情報をファインダー内に表示できます。
3. マニュアル撮影が楽になる
ピント合わせの際に画面を拡大表示したり、露出の変化をリアルタイムで確認したりできるため、細かい設定も安心して行えます。
⚠️ EVFのデメリット
1. バッテリー消費が激しい
常に液晶画面が点灯しているため、電力をよく消費します。予備バッテリーは必須アイテムと考えておいた方が良いでしょう。
2. わずかな遅延がある場合も
電子処理の関係で、わずかですが映像に遅れが生じることがあります。最新機種ではほぼゼロに近くなっていますが、激しく動く被写体では気になることも。
3. 画面の解像度に依存
ファインダーの液晶画面の性能によって、見え方の良し悪しが決まります。安価なカメラでは、やや粗い表示になることもあります。
モニター・ファインダー比較表
項目 | 液晶モニター | OVF(光学) | EVF(電子) |
---|---|---|---|
見やすさ | 屋外で見にくい | 常にクリア | おおむね良好 |
バッテリー消費 | 多い | なし | 少し消費 |
撮影結果の確認 | リアルタイム | 撮影後 | リアルタイム |
手ブレ | しやすい | しにくい | しにくい |
初心者への優しさ | ◎ | △ | ○ |
初心者はどれを選ぶべき?シーン別おすすめ
結論として、迷ったらEVF搭載のミラーレスカメラがおすすめです。初心者にとって、撮影前に結果が確認できることのメリットは非常に大きいからです。
📱 液晶モニター撮影がおすすめのシーン
- 旅行やイベント:気軽にスマホ感覚で撮りたい時
- 自撮り:バリアングル液晶で角度調整したい時
- ローアングル撮影:低い位置から撮る時
- 初心者の練習:構図を大きな画面で確認したい時
📸 OVF(光学ファインダー)がおすすめのシーン
- スポーツ撮影:動きの速い被写体を追う時
- 長時間撮影:バッテリー持ちを重視したい時
- 暗い場所:薄暗いシーンでクリアに見たい時
- カメラらしい撮影体験を楽しみたい時
📸 EVF(電子ファインダー)がおすすめのシーン
- 風景写真:露出や色味を確認しながら撮りたい時
- ポートレート:ピントを拡大して確認したい時
- マニュアル撮影:設定変更の効果を見ながら撮りたい時
最新カメラの進歩がすごい!
最近のミラーレスカメラに搭載されているEVFは、驚くほど高性能になっています。
キヤノンの公式情報によると、最新のEOS R5では約576万ドットもの高解像度OLEDファインダーを搭載し、もはや光学ファインダーに匹敵するほど自然な見え心地を実現しています。
「EVFは見にくい」というのは、もはや過去の話になりつつあります。
実際に体験してから決めよう
文章だけではなかなか実感が湧かないかもしれません。可能であれば、カメラ店で実際に:
- 液晶モニターを見ながら撮影体験
- OVF(光学ファインダー)を覗いて撮影体験
- EVF(電子ファインダー)を覗いて撮影体験
この3つを試してみることをおすすめします。「OVFの自然な見え方が心地いい」と感じるか、「EVFの情報量の多さが便利」と思うかは、人それぞれです。
実際に触ってみると、意外な発見があるはずですよ。
ちなみに、現行機種でOVFがついているものはかなり種類が少ない。FUJIFILMの機種しかないかもしれない。
撮影姿勢のコツ
それぞれの撮影方法には、手ブレを抑える姿勢のコツがあります:
📱 液晶モニター撮影のコツ
- 脇を締める:腕だけで支えず、体に密着させる
- 息を止めてシャッターを押す
- 両手でしっかりカメラを握る
🔍 ファインダー撮影のコツ
- 額にファインダーを軽く当てる:3点支持で安定
- 左手でレンズを支える:グリップだけでなく前も支える
- 足を肩幅に開く:安定した姿勢をとる
まとめ|自分の撮影スタイルに合わせて選ぼう
モニターとファインダー、そしてOVFとEVFには、それぞれに特徴があり、撮影の目的によって使い分けることが大切です。
📝 選び方のポイント
- スマホ感覚で気軽に → 液晶モニター
- 手ブレを抑えて確実に → ファインダー
- バッテリー重視 → OVF(光学ファインダー)
- 失敗を減らしたい初心者 → EVF(電子ファインダー)
最初は色々な方法を試してみて、慣れてきたら撮影シーンに応じて使い分けていくのがおすすめです。大切なのは、カメラを持って外に出て、たくさん撮影を楽しむこと。
撮影方法の選択は、あなたの写真ライフをより豊かにするためのツールの一つに過ぎません。まずは楽しみながら、自分にぴったりのスタイルを見つけてくださいね。