🏙 撮影スポット探訪記

箱根で紅葉スナップ|美術館の苔庭と温泉街を撮り歩く【箱根美術館・箱根湯本】

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紅葉の季節、「どこに行けば素敵なスナップが撮れるのか分からない」と悩んでいませんか?今回は、品川から車で1時間30分の好アクセスな箱根エリアで紅葉スナップを撮影してきました。今回は、箱根美術館の国指定名勝「神仙郷」の苔庭、強羅公園でのランチタイム、そして箱根湯本の温泉街での夕景スナップまで。PLフィルターを使った曇天での撮影テクニックや、明確な被写体がない中での構図の取り方、紅葉時期の混雑状況など、実践的なノウハウをご紹介します。

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箱根の基本情報とアクセス

箱根は東京都心から約100km、神奈川県の西部に位置する日本屈指の温泉観光地です。四季折々の自然美と歴史的な文化財が融合した、スナップ撮影に適したエリアです。

アクセス・立地

今回は車で行きました。品川駅から東名高速道路経由で約1時間30分。電車の場合は、小田急ロマンスカーで新宿から箱根湯本まで約85分と、山中とはいえアクセス抜群です。

  • 車でのアクセス:品川駅から約1時間30分(東名高速道路・箱根新道利用)
  • 電車でのアクセス:新宿から小田急ロマンスカーで箱根湯本まで約85分、箱根湯本から箱根登山鉄道で強羅駅まで約40分
  • 箱根美術館の駐車場:無料(100台)
  • 箱根湯本町駐車場:箱根町役場中段駐車場を利用(3時間1,000円、1日最大1,800円)
箱根までの経路マップ
地図リンク:https://maps.app.goo.gl/BmKnfVnsuMXJnJNc7

撮影日時と使用機材

今回の撮影は2025年11月8日(金)に実施しました。天候は曇天でしたが、PLフィルターの効果を検証する良い機会となりました。

使用機材

  • カメラボディ:Sony α7IV
  • メインレンズ:SEL70200GM2(望遠ズーム)
  • フィルター:Kenko C-PLフィルター
  • サブカメラ:FUJIFILM X100V
hatta

果たして曇天でもPLフィルターは効果があるのか???

撮影スポット①|箱根美術館の神仙郷

撮れ高:★★★★★

今回のメインスポットは箱根美術館です。強羅駅から箱根登山ケーブルカーで約2分、「公園上駅」下車すぐの場所にあります。日本古陶磁器を中心に展示する美術館ですが、何といっても見どころは国の名勝に指定された庭園「神仙郷(しんせんきょう)」です。

トンネルから見える箱根美術館

苔庭が映えポイント

神仙郷の中でも特に圧巻なのが苔庭です。約130種類の苔と220本のモミジが植えられており、緑の苔と紅葉のコントラストが幻想的な風景を生み出します。見頃時期(11月中旬)にはさらに鮮やかな景色が期待できますが、11月8日時点でも陽の当たりやすい箇所のモミジが色づき始めており、十分な撮れ高を得ることができました。

箱根美術館の苔庭とうっすら見える紅葉

柔らかな苔の道を歩きながらの撮影は、足元から目線の高さまで様々なアングルを試せる絶好のロケーション。整備された庭園ならではの美しい空間構成が、シャッターチャンスを生み出してくれます。

hatta

見方を変えれば苔やまだ紅葉していない葉は、紅葉と補色の関係だったりするのでより色が映えて見えるとも考えられますね。

石楽園と竹庭も見逃せない

苔庭以外にも、築山や渓流を組み合わせた「石楽園」、竹林が美しい「竹庭」など、変化に富んだ景観が楽しめます。園内をゆっくり歩きながら、お気に入りのアングルを探すのがおすすめです。

石楽園の観山亭

施設情報

  • 入館料:大人1,430円
  • 開館時間:9:30~16:30(12~3月は16:00まで)
  • 休館日:木曜日(11月は無休、祝日の場合は開館)
  • 駐車場:無料(100台)

詳しい情報は箱根美術館公式サイトでご確認ください。

撮影スポット②|強羅公園でランチタイム

撮れ高:★★★☆☆

箱根美術館のすぐ近くにある強羅公園にも立ち寄りました。こちらは日本初のフランス式整形庭園で、ヨーロッパ風の雰囲気が特徴です。正直なところ、紅葉スナップという点では箱根美術館に比べるとミスマッチな感じを受けました。西洋庭園と紅葉で思うように絵作りができなかったのが正直な感想です。

噴水とカフェと紅葉

ランチと窓際カフェ物撮りが◎

ただし、園内のカフェでのランチは大満足でした。窓際の席からは庭園を眺めながら食事ができ、自然光を活用した料理の物撮りにも最適。フレンチカフェならではのおしゃれな雰囲気の中、ゆっくりとした時間を過ごせました。

強羅カレー
コーヒーゼリー

施設情報

  • 入園料:650円
  • 開園時間:9:00~17:00(季節により変動)
  • 定休日:なし

撮影スポット③|箱根湯本駅前商店街

撮れ高:★★★★☆

午後16時頃には箱根湯本駅前商店街へ移動しました。夕方から夜にかけての時間帯は、商店街の明かりが灯り始め、スナップ撮影に絶好のタイミングです。

夜の箱根湯本駅前商店街

広角レンズで温泉街の雰囲気を切り取る

箱根湯本のスナップには、広角気味のレンズがおすすめです。今回はFUJIFILM X100V(35mm判換算35mm)を使用しましたが、狭い路地や商店街の雰囲気を捉えるのにちょうど良い画角でした。SEL70200GM2の望遠レンズだと距離が取りづらく、スナップには少々使いにくいと思います。

手焼堂

食べ歩きスナップも楽しい

温泉まんじゅうやかまぼこなど、箱根ならではの名物を食べ歩きながらの撮影は、観光と撮影を同時に楽しめる贅沢な時間です。店先の湯気や商品のディスプレイなど、日常の何気ない瞬間にもシャッターチャンスが溢れています。

箱根まんじゅう

PLフィルターを使った紅葉撮影テクニック

曇天でもPLフィルターは効果がある?

今回の撮影で検証したかったのが、曇天でのPLフィルターの効果です。一般的に「PLフィルターは晴天時に効果を発揮する」と言われますが、実際に曇りの日に使ってみた結果はどうなんでしょうか?

Before imageAfter image

PLフィルターは反射光をコントロールするフィルターで、晴天時は青空を濃くする効果が顕著ですが、曇天時でも葉の表面反射を抑える効果は健在みたいですね。特にモミジは光を反射しやすい性質があるのか、PLフィルターで反射を除去することで、深みのある赤色を引き出すことができました。

PLフィルターの使い方

PLフィルターの効果を最大限に引き出すポイントは以下の通りです。

  • 前枠を回して調整:ファインダーを覗きながら前枠を回し、葉の色が最も鮮やかに見える角度を探します
  • 撮影角度:太陽に対して90度の角度が最も効果的(曇天時は太陽の位置が分かりづらいですが、明るい方向を意識)
  • 効果の調整:常に最大効果で撮るのではなく、構図が第一。シーンに応じて効果を弱めることも検討する。
hatta

ファインダーを覗きながらの調整は慣れるまで時間が必要。場数を踏んで感覚をつかみましょうね。

アイキャッチ
PLフィルターで紅葉が変わる|α7IVユーザーの使用感初めてPLフィルターを購入したα7IVユーザーが、Kenko PRO1D eta C-PLの使用感をレビュー。紅葉撮影での効果、水面の反射除去、青空コントラスト強調など実例を交えて解説。デメリットや注意点、夜景・水たまりへの効果も検証。...

明確な被写体がない中での構図の取り方

紅葉撮影では「何を撮れば良いか分からない」という悩みを抱える方も多いはず。明確な被写体がない風景の中で、どのように構図を組み立てるかがポイントです。

色を対角線で区切る

対角線構図は、画面の対角線上に色の境界線や枝を配置する手法です。まだ紅葉していない緑のモミジと赤く染まったモミジの境界を対角線に沿って配置することで、ぱっと見の印象付けができます。

紅葉と空

二分割構図でシンプルに

画面を上下または左右に二分割する二分割構図もシンプルで効果的です。例えば、上半分に紅葉、下半分に苔という配置で、色のコントラストを強調できます。

紅葉と橋

日の丸構図で主役を作る

特に印象的な一本のモミジや、美しく色づいた葉を見つけたら、日の丸構図で画面中央に配置するのもアリ。周囲をぼかすことで、主役が際立ちます。

木々の隙間から見える紅葉

ちょっとした日差しのチャンスを逃さない

曇天の撮影で大切なのが、わずかな日差しのチャンスを逃さないこと。雲の切れ間から差し込む光は一瞬ですが、そのタイミングでシャッターを切ることで、ドラマチックな一枚が生まれます。

日差しが入ってきた苔庭と後ろの紅葉

特に苔庭では、木漏れ日が差し込んだ瞬間に苔の緑が輝き、幻想的な雰囲気に。常に空の様子を気にしながら、光のチャンスを待つ姿勢が大切です。

紅葉の見頃時期について

今回の撮影は2025年11月8日でしたが、箱根美術館の紅葉の見頃は例年11月中旬~11月下旬とされています。撮影時点ではまだピークには少し早く、陽の当たりやすい箇所だけが色づいている状態でした。

2025年の見頃予想

現地の色づき具合から判断すると、2025年は11月15日頃からピークを迎えると予想できます。箱根エリアは標高差があるため、場所によって見頃時期が異なります。

  • 箱根美術館・強羅エリア:11月中旬~11月下旬
  • 箱根湯本エリア:11月下旬~12月上旬

撮影時の注意点とワンポイントアドバイス

事前の撮影スポット調査が重要

どのスポットでも言えることですが、撮影で特に注意したいのが、撮影スポットの事前調査です。今回、塔之澤橋から見える箱根登山鉄道と紅葉の構図を狙おうと考えていましたが、事前の調査で橋自体が関係者以外立ち入り禁止であることが分かりました。調べずに訪れていたら、現地で悔しい思いをするところだったでしょう。

塔之澤橋の場所

SNSや写真共有サイトで見かける素敵な写真の撮影場所が、実は私有地だったり立ち入り禁止区域だったりすることが多々あります。必ず事前に確認し、別のスポットを準備しておくことをおすすめします。

hatta

憧れの構図が撮れなくても、観光地にはたくさんの撮影スポットがありますよ!よく調べてみましょう。

週末の渋滞は必至

今回は土曜日の撮影でしたが、行きは午前中到着を意識したため駐車場にも余裕で入れました。しかし帰りは箱根の渋滞に巻き込まれ、東京まで4時間近くかかりました。11月下旬までの週末は特に混雑が予想されるため、時間に余裕を持った計画を立てましょう。

スナップ撮影なら三脚不要

今回のようなスナップ撮影であれば、三脚は必要ありません。むしろ混雑時には邪魔になることも考えられます。ただし、しっかりとした風景撮影をしたい場合は、平日の人が少ない時間帯を選ぶと良いでしょう。

まとめ|箱根で季節の変化を楽しむスナップ撮影

箱根は都心から近く、日帰りでも十分に楽しめる紅葉スナップの名所です。今回訪れた箱根美術館の苔庭は、緑の苔と紅葉のコントラストが素晴らしく、同じ場所でもいろんなアングルで撮りました。また、PLフィルターは曇天でも効果があり、特にモミジの反射を抑えて深い赤色を引き出すのに有効です。

そして、箱根湯本の温泉街では、夕方から夜にかけての明かりが映える時間帯がスナップ撮影におすすめです。広角レンズを持参すれば、狭い路地でも雰囲気のある写真が撮れます。

撮影スポットの事前調査や渋滞対策など、準備をしっかり行えば、より充実した撮影旅行になるはず。ぜひカメラを持って、秋の箱根を訪れてみてください。きっと素晴らしい撮れ高が待っていますよ。

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