皆さん、こんにちは!今回はフォーカスポイント(測距点)の選び方と使い方をご紹介します。ピントを正確に狙って、ワンランク上の写真を目指しましょう。
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📌 この記事の目的
- フォーカスポイントとは何かを知りたい
- どこにポイントを置くべきか理解したい
- 実際の使い方(シングルポイントAF、ダイナミックAFなど)を知りたい
- 具体的なシーン別に最適な設定を学びたい
1. フォーカスポイント(測距点)とは?
ファインダーやライブビューに表示される小さな四角や丸。それが「測距点」です。カメラはハーフシャッター時にどのポイントにピントを合わせるかを判断します。
デフォルトではすべての測距点が有効(オート)ですが、それだと意図しない対象にピントが合うリスクが高まります。
2. なぜポイント選択が重要?
例えば、ポートレートで被写体の目に正確にピントを合わせたい場合、全ポイント任せでは失敗することも。
フォーカスポイントを「目」に合わせることで、背景はぼかしつつ、意図した部分にシャープなピントを得られます。
風景写真や街並みのスナップなど、手前から奥までしっかりピントを合わせたいシーンでは、被写界深度を深くする=F値を大きくすることが重要です。そのためにはハイパーフォーカル距離(Hyperfocal Distance)という考え方も有効です。
ハイパーフォーカル距離
ハイパーフォーカル距離とは、「ピントを合わせた位置から無限遠まで、画像全体が比較的ピントが合ってに見えるようになる最短距離」のこと。たとえば28mmレンズでF8に絞った場合、ピント位置がカメラから約1.6m以降のすべてがピントの合っている状態に見えます。
3. フォーカスポイントの種類と使い方
3.1 シングルポイントAF(単点)
最も基本&正確で、風景やポートレート、スナップに最適。
- 被写体にポイントを合わせて半押し
- 構図を決めてからシャッターを切る
中心点は精度が高く、安定して被写体に合わせやすい。
3.2 ダイナミック/グループポイントAF
被写体が動く時に有効。メインポイントに加え、周囲のポイントを使って追う仕組み。
- スポーツや動物写真におすすめ→動きのある被写体に強い
- 例えば、Nikon D750では中規模(9点)から大規模(51点)まで選べる
3.3 オートエリアAF
カメラが自動判別するモード。初心者向けだが、意図しない背景に合うこともある。
3.4 瞳AF
被写体の目に自動でフォーカスを合わせる最新技術で、特にポートレートに最適。
4. バックボタンフォーカスでステップ分離
通常、カメラのピント合わせは「シャッターボタン半押し」で行います。しかし、これだとフォーカスとシャッターが同じ動作に紐づいているため、構図を変えるたびに再フォーカスされてしまうことがあります。
そこで便利なのが「バックボタンフォーカス」。これは、カメラ背面のAF-ONボタンなどを使ってピント合わせ(AF)とシャッターを分離する設定です。
🔍 バックボタン vs シャッターボタンAF:違いと使い分け
項目 | シャッターボタン半押し | バックボタンフォーカス |
---|---|---|
AF操作 | シャッターボタンと連動 | 背面ボタンでAF、シャッターは別 |
構図変更後のピント | 半押しを離すと再フォーカス | 構図を変えてもピント保持 |
動体撮影との相性 | 不向き(誤操作のリスク) | AF-C+追従が安定して狙える |
初心者のとっつきやすさ | 標準のため馴染みやすい | 最初はやや戸惑うが慣れると快適 |
✅ バックボタンフォーカスのメリット
- 構図を固定してピントを維持できる → 風景・ポートレートに最適
- AF-Cとの相性が良く、動きものにも強い
- 意図しない再フォーカスを防げる
⚠️ デメリット・注意点
- 最初は操作が複雑に感じる
- シャッターボタンにAFが効かなくなるので、慣れないと「ピントが合わない」と誤解しやすい
- 設定変更が必要(機種によって場所が異なる)

🎯おすすめの活用シーン
- ポートレート撮影 → 瞳AFと併用で構図自由に
- 風景写真 → ハイパーフォーカル距離と合わせて
- スナップ写真 → 1度ピント合わせたらあとは構図に集中
5. シーン別おすすめ設定
用途 | AFモード | 測距点 | 理由 |
---|---|---|---|
ポートレート | AF-S+シングルポイント or 瞳AF | 目に単点 | 被写体の目に確実にピントが合う |
風景 | AF-S+シングルポイント | ロック後構図調整 | ハイパーフォーカス的運用に最適 :contentReference[oaicite:9]{index=9} |
動物・スポーツ | AF-C+ダイナミック/グループポイント | 9~51点 | 被写体を動きに合わせて追随 |
スナップ | AF-S+単点 or オートエリア | 被写体近辺 | 即応重視ならオートも可 |
6. フォーカスポイント活用のコツ
- コントラストの高い部分にピントを置く
- 練習モード:MFリング&+AFを使って精度確認
まとめ
・フォーカスポイントは「意図した場所」にピントを合わせる重要なツール。
・シーンごとの設定(単点/グループ/瞳AF)を覚えよう。
・バックボタンフォーカスを取り入れると操作が格段に安定します。
まずはシングルポイントで構図とピントを分けて撮る練習から始めてみてください。