「せっかく撮ったのに写真が暗い……」「なんだか白とびしちゃってる?」そんな経験はありませんか?
カメラには“光の量(露出)”を自動で測る「測光モード」という機能があります。実はこれ、写真の明るさを決めるうえでとても大切な要素です。この測光モードを理解しておくだけで、シーンに合わせた露出設定がグッと楽になり、「思った通りの明るさ」で撮れる確率がぐんと上がります!
この記事では、初心者の方でもわかりやすいように、測光モードの種類や使い方、注意点を解説していきます。
ちなみに、前回の記事では、写真の明るさを調整する方法として露出補正について解説しました。


測光モードとは?
測光モードとは、カメラが画面内のどの部分の光を基準に明るさを決めるかを指定する設定です。カメラは自動的に露出を決める際、光の量を測って判断します。この測り方(=測光)の種類を選ぶのが測光モードです。
たとえば同じ風景を撮っても、測光モードが違うと明るさが大きく変わることがあります。それだけこの設定は写真に大きな影響を与えるのです。
代表的な3つの測光モード
1. マルチパターン測光(評価測光)
画面全体を複数のエリアに分けて、それぞれの明るさを測って最適な露出を計算する方式。最近のカメラではこれが初期設定になっていることが多いです。
おすすめの使いどころ:風景やスナップなど、バランスよく明るさを決めたいとき。
各社で名称が異なるので要確認です!
例)Canonでは「評価測光」、Nikonでは「マルチパターン測光」
2. 中央重点測光
画面の中央付近を優先的に測光する方式です。周囲の明るさは無視せず、全体のバランスを取りつつ中央に重きを置きます。
おすすめの使いどころ:人物撮影など、中央に被写体がいる構図。
3. スポット測光
画面のごく一部(通常は中央の2〜5%程度)の光だけを基準に測光する方式です。非常に限定的な範囲を測るため、使いこなすには少し慣れが必要です。
おすすめの使いどころ:逆光での人物撮影、明暗差が激しいシーン。
測光モードと露出補正の関係
前回の記事でも触れたように、カメラは被写体を18%グレーの明るさに近づけようと自動補正します。つまり、測光モードでどこを測るかによって「明るすぎ」「暗すぎ」と判断されるポイントが変わり、露出補正の必要性にも影響します。
特にスポット測光では、測るポイント次第で大きく露出が変化するため、正確に使うには露出補正とセットで調整するのが望ましいです。
プロも活用する測光のテクニック
プロのカメラマンは、あえてスポット測光を使い「白は+1EV、黒は-1EV」などの経験則で補正を行う、というのも聞いたことがあります。これは長年の経験による感覚に基づいているのでしょう。(参考)
初心者のうちは?
迷ったら「マルチパターン測光」でOK!必要に応じて露出補正を使いましょう。
まとめ
- 測光モードは、カメラがどこを基準に明るさを決めるかを指定する設定
- 初心者にはマルチパターン測光がおすすめ
- 「中央重点測光」「スポット測光」はシーンに応じて使い分けよう
- 測光モードと露出補正はセットで考えると◎
