電気街のネオンが煌めく夜の秋葉原は、スナップ撮影に最適なエリアです。看板の明かりや信号、街灯が作り出す光と影のコントラストは、昼間とは全く異なる表情を見せてくれます。今回はSony α7IVとSEL70200GM2、SEL24F14GMを使って、秋葉原の夜を約1時間30分かけて撮り歩きました。望遠レンズと広角レンズを使い分けながら、スローシャッターや二点透視などのテクニックを駆使した撮影の様子をご紹介します。
▶前回の記事はこちら
「🏙 撮影スポット探訪記|カメラ片手に歩く街角」シリーズの前回記事はこちら↓
秋葉原スナップの基本情報

アクセスと撮影エリア
今回撮影したのは、秋葉原駅を中心とした電気街エリアです。新宿からJR中央線で約15分とアクセスも良好。平日の夜18時から19時30分までの約1時間30分、電気街の外周から路地裏まで、さまざまな角度から秋葉原の夜を切り取りました。
- 撮影場所:秋葉原駅電気街周辺
- 撮影日時:2025年10月26日 18:00~19:30
- アクセス:JR秋葉原駅 電気街口から徒歩すぐ
- 所要時間:約1時間30分
使用機材
今回の撮影では、Sony α7IVをボディに、望遠と広角の2本のレンズを使い分けました。
- カメラ:Sony α7IV
- レンズ①:SEL70200GM2(望遠ズーム)
- レンズ②:SEL24F14GM(広角単焦点)
望遠レンズは圧縮効果を活かして遠くの被写体を引き寄せたり、路地裏の奥行きを表現するのに最適です。一方、広角レンズは街全体のダイナミックな雰囲気や、建物の角を活かした構図作りに向いています。
撮影ルートと各エリアの撮れ高
今回のルートは大きく3つのエリアに分けて撮影しました。時間帯と場所によって変化する光の表情を捉えながら、レンズを使い分けることで多彩な表現を楽しめました。
①秋葉原外周スナップ
②電気街中心の望遠レンズスナップ
③電気街中心の広角レンズスナップ


秋葉原外周スナップ(18:00~18:30)
まずは秋葉原駅の外周を歩きながら、全体の雰囲気を掴みます。大通り沿いの看板やビルのネオンが次第に輝きを増していく様子を観察しながら、撮影ポイントを探していきます。


デカいレンズを持ってのスナップは、スタート直後、気持ちが入りきらないことが多いので、人の少なく集中できるところからじっくり攻めるのが良い
電気街・路地裏望遠レンズスナップ(18:30~19:00)
日が完全に落ちたこの時間帯は、望遠レンズ(SEL70200GM2)で電気街の路地裏を撮影します。望遠レンズの圧縮効果を活かすと、密集した看板やビルが重なり合い、秋葉原らしい独特の雰囲気を演出できます。
また、遠くから狙うことで人物の顔が識別できないレベルまで距離を取れるため、肖像権への配慮もしやすくなります。路地裏の奥行きや、ネオンの光が作り出す陰影をじっくりと捉えていきます。


電気街・路地裏広角レンズスナップ(19:00~19:30)
撮影の締めくくりは広角レンズ(SEL24F14GM)で、より街に近づいた表現に挑戦します。広角レンズは建物の角を中心に配置した二点透視構図が決まりやすく、ダイナミックな画作りが可能です。


夜の秋葉原で意識した撮影テクニック
夜のスナップ撮影では、光の扱い方や構図の工夫が重要になってきます。ここでは、今回の撮影で特に意識したテクニックをご紹介します。
看板や街灯、信号などの明かりを活用
秋葉原の夜の主役は、なんといっても看板や街灯の光です。これらの光源をどう活かすかで、写真の印象が大きく変わります。
シルエットにする
強い光源を背景に配置し、被写体をシルエットにすることで、ドラマチックな雰囲気を演出できます。露出補正をマイナスに振ることで、人物や建物の輪郭だけを残した表現が可能です。

色を見る
秋葉原の看板は赤、青、黄色、緑など多彩な色で溢れています。単に明るさだけでなく、色の組み合わせや配置を意識することで、カラフルで印象的な写真が撮れます。特に赤と青の補色関係は、視覚的なインパクトが強くおすすめです。

雨に濡れた地面の反射を利用
今回は雨上がりでした。このような地面に水たまりや濡れた路面があれば、積極的に反射を活用しましょう。看板やネオンの光が地面に映り込むことで、上下対称の幻想的な構図が生まれます。ローアングルから狙うのが一般的ですが、周りからすると邪魔になる可能性はあるので、要配慮です。

建物の角を中心に置いた二点透視を意識
建物がひしめき合う秋葉原では、建物の角を画面の中心に配置する二点透視構図を意識しました。この構図は、建物が左右に広がっていくような奥行きと立体感を生み出します。特に高層ビルが立ち並ぶ秋葉原では、上を見上げるように撮ることで、街の迫力を表現できます。


スローシャッターで人や街の躍動感を表現
夜のスナップでは、スローシャッターを活用することで、動きのある表現が可能になります。シャッタースピードを1/4秒から1秒程度に設定し、歩く人々をブレさせることで、街の躍動感や時間の流れを写真に閉じ込められます。
さらに、スローシャッターには肖像権への配慮という副次的なメリットもあります。人物の顔がブレて識別できなくなるため、街中でのスナップ撮影がしやすくなります。ただし、三脚を使わない手持ち撮影の場合は、カメラの手ブレ補正機能をオンにして、背景がブレないように注意しましょう。


夜の秋葉原撮影での注意点
秋葉原の夜は撮影スポットとして魅力的ですが、いくつか注意すべき点もあります。安全に撮影を楽しむために、以下のポイントを押さえておきましょう。
思ったより治安が悪い場面も
今回の撮影中、いくつかドキドキする場面に遭遇しました。
- 新興宗教を勧めてくる人:駅周辺で声をかけられました。しっかり丁寧に断りましょう。
- 怒号で言い合う男性たち:路地裏で口論している場面に遭遇。近づかずに迂回するのが賢明です。
- 警官に詰め寄るおじさん:理由は不明ですが、警察官とトラブルになっている人もいました。
これらの場面は頻繁に遭遇するわけではありませんが、夜の繁華街である以上、常に周囲に注意を払いながら撮影することが大切です。貴重品の管理も忘れずに。
平日の夜でも人が多く、カメラの取り回しに注意
秋葉原は平日の夜でも人通りが多いエリアです。特に電気街のメインストリートや駅周辺は混雑しやすく、大きなカメラやレンズを振り回すと、周囲の人にぶつかる危険があります。
混雑した場所では、カメラを体の前で保持し、レンズ交換は人の流れから外れた場所で行うようにしましょう。また、三脚の使用は周囲の迷惑にならないか、事前に確認することをおすすめします。
まとめ|夜の秋葉原は光と影が織りなす魅力的なスナップスポット
夜の秋葉原は、ネオンや看板、街灯が作り出す光と影のコントラストが魅力的な撮影スポットです。望遠レンズで圧縮効果を活かした路地裏の表現、広角レンズでダイナミックな建物の構図、そしてスローシャッターで街の躍動感を捉えることで、多彩な写真を撮影できます。
一方で、夜の繁華街ならではの注意点もあります。治安面での配慮や、混雑した場所でのカメラの取り回しには十分気をつけながら、安全に撮影を楽しみましょう。光の扱い方や構図の工夫次第で、秋葉原の夜は無限の表現を見せてくれます。
ぜひカメラを持って、夜の秋葉原を歩いてみてください。きっと新しい発見と撮れ高が待っているはずです。
















