📘初めてのカメラ教室|初心者向け使い方

RAWとJPEGの違いとは?初心者が知っておくべき保存形式の選び方

デジタルカメラで写真を撮る時、画質設定で「RAW」と「JPEG」という選択肢があることにお気づきでしょうか?この設定、実は写真の仕上がりや後の編集に大きく影響する重要なポイントなんです。この記事では、カメラ初心者の方向けに、RAWとJPEGの違いと、どちらを選ぶべきかを分かりやすく解説します。

RAWとJPEGって何が違うの?

まず結論から言うと、RAWは「素材」、JPEGは「完成品」と考えると分かりやすいでしょう。料理で例えるなら、RAWは新鮮な食材、JPEGは調理済みのワンプレートのようなものです。

RAWとJPEGを説明した概念図
項目RAWJPEG
データの状態カメラセンサーの生データカメラ内で処理済み
ファイルサイズ大きい(20-30MB程度)小さい(3-5MB程度)
編集の自由度非常に高い限定的
すぐに使えるか現像が必要そのまま使える

RAWってどんな形式?

RAWは「生の」という意味で、カメラのセンサーが捉えた光の情報をそのまま記録したデータです。ニコンの公式サイトでも解説されているように、RAWは12ビットから14ビットという豊富な階調情報(4,096〜16,384段階)を持っています。

これに対してJPEGは8ビット(256段階)なので、RAWの方が圧倒的に豊かな色彩表現が可能です。

JPEGってどんな形式?

JPEGは、カメラが撮影した画像を自動的に処理して完成させた形式です。撮ったその場ですぐにスマホに転送してSNSに投稿したり、プリントしたりできる便利さが最大の特徴です。

スマホ操作の画像

RAW撮影のメリット・デメリット

🌟 RAWのメリット

1. 失敗写真を救える可能性が高い

露出を間違えて暗く撮ってしまった写真も、RAWなら明るく補正できることが多いです。タムロンの解説によると、RAWでは大幅な露出補正が可能で、JPEGでは難しい大胆な調整ができます。

2. ホワイトバランスを後から自由に変更

撮影時にオートホワイトバランスで撮っておいて、後から「もっと暖かい色にしたい」「青みを強くしたい」といった調整が簡単にできます。

3. 何度編集しても画質が劣化しない

JPEGは編集して保存するたびに画質が劣化しますが、RAWは元データに影響しないため、何度でも編集をやり直せます。

hatta

私は、敢えて少し暗めの露出設定をしてRAW撮影をしたりします。編集前提の撮影なので、後で手間はかかりますが、結果的に失敗することが減ります。

⚠️ RAWのデメリット

1. ファイルサイズが大きい

RAWファイルは1枚あたり20-30MB程度と、JPEGの約6-10倍のサイズになります。SDカードやパソコンの容量に注意が必要です。

2. 現像作業が必要

RAWファイルはそのままでは画像として見ることができません。専用ソフトで「現像」という処理をしてJPEGなどに変換する必要があります。

3. すぐにシェアできない

撮ったその場でSNSに投稿したり、友人にLINEで送ったりすることができません。現像処理を経てからの共有になります。

JPEG撮影のメリット・デメリット

🌟 JPEGのメリット

1. 撮ったらすぐに使える

撮影後、すぐにスマホ転送してSNS投稿や友人への共有が可能です。旅行中の思い出をリアルタイムで共有したい時には最適です。

2. ファイルサイズが小さい

1枚あたり3-5MB程度と軽量なので、SDカードの容量を気にせずたくさん撮影できます。

3. 特別なソフトが不要

どんなデバイスでも基本的に表示・編集が可能で、初心者にとって敷居が低い形式です。

⚠️ JPEGのデメリット

1. 編集の自由度が低い

大幅な明るさ調整や色調補正をすると、すぐに画質が劣化してしまいます。

2. 撮影時の設定で決まってしまう

ホワイトバランスや色味は撮影時点で固定され、後から大きく変更することは困難です。

3. 保存のたびに画質劣化

JPEGは非可逆圧縮方式のため、編集して保存するたびに少しずつ画質が劣化していきます。

Before imageAfter image

初心者はどちらを選ぶべき?シーン別の選び方

結論として、迷ったらRAW+JPEG同時記録がおすすめです。多くのカメラでは両方の形式で同時に保存できる機能があります。

📱 JPEG単体がおすすめのシーン

  • 旅行やイベント:その場でシェアしたい時
  • 大量撮影:運動会や発表会など枚数を多く撮る時
  • スナップ撮影:日常の記録として気軽に撮る時
  • 容量に制限:SDカードの残量が少ない時

📸 RAW撮影がおすすめのシーン

  • 大切な記念写真:結婚式や卒業式など失敗できない撮影
  • 風景写真:朝焼けや夕焼けなど明暗差が大きいシーン
  • ポートレート:肌の質感や色味にこだわりたい時
  • 作品作り:時間をかけて編集を楽しみたい時

RAW現像って難しいの?

「現像」と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、実は基本的な操作はとても簡単です。主要カメラメーカーは無料の現像ソフトを提供しています:

  • NikonNX Studio(無料)
  • Canon:Digital Photo Professional(無料)
  • Sony:Imaging Edge Desktop(無料)
  • Adobe:Lightroom(有料・サブスクリプション)

基本的な現像手順は以下の通りです:

  1. RAWファイルを現像ソフトで開く
  2. 明るさ(露出)を調整
  3. 色温度(ホワイトバランス)を調整
  4. コントラストや彩度を好みに調整
  5. JPEGとして書き出し
Lightroomの編集画面
これはLightroom

まとめ|自分の撮影スタイルに合わせて選ぼう

RAWとJPEGは、それぞれに特徴があり、撮影の目的によって使い分けることが大切です

📝 選び方のポイント

  • 気軽に撮影を楽しみたい → JPEG
  • 写真編集にも挑戦したい → RAW
  • どちらか迷う → RAW+JPEG同時記録

最初はRAW+JPEG同時記録で始めて、慣れてきたら撮影シーンに応じて使い分けていくのがおすすめです。大切なのは、カメラを持って外に出て、たくさん撮影を楽しむこと。保存形式の選択は、あなたの写真ライフをより豊かにするためのツールの一つに過ぎません。

次回の「📘初めてのカメラ教室|初心者向け使い方」もお楽しみに!