梅雨の訪れとともに、街には静かでしっとりとした空気が広がります。そんな時期、カメラ片手に歩くのにぴったりなのが「アジサイの名所」。今回は5年前に訪れた鎌倉・極楽寺周辺で撮影したアジサイのスナップをもとに、これからアジサイを撮りに行きたい方へ向けた撮影のヒントとスポット紹介をお届けします。

マクロで切り取る紫陽花の世界|90mmで迫る質感
オススメしたいのはアジサイの接写。ここでは、90mmのマクロレンズを使用することで、小さな花びらの質感や水滴のディテールが美しく浮かび上がります。
採用した90mmのレンズはこちら
接写では、背景ボケを活かした構図を意識するのがコツ。F2.8〜F4.0で絞りすぎず、柔らかく描写しましょう。

駅舎からすでに風情|極楽寺駅のノスタルジー
江ノ電「極楽寺駅」は、まるで昭和にタイムスリップしたかのような情緒ある風景が広がるスポット。駅舎すぐの極楽寺にはきれいなアジサイが植えられており、近くの有名“アジサイスポット”長谷寺の人混みを考えれば、かなりの穴場と考えていいでしょう。

江ノ電であれば隣の駅であり、徒歩でも20分ちょいなので、長谷寺~極楽寺のはしごもいいと思います。
参道の奥に見えた、季節を象徴するシーン
撮影当日、小雨が降る現地に現れたのは、参道の奥にたたずむ傘を差した女性の姿。自然と視線が奥へと導かれ、まさに「ストーリー性」のある1枚になりました。
左右の並木に露出が合ってしまうと、主題の女性が白飛びしてしまうため、露出設定に気を付けつつ、わかりやすい構図で撮影しました。

このような一瞬の出会いを逃さないためにも、常に「どこで誰がどんな風に入ると画になるか」を意識してスナップしよう
足元に注目!雨のアート「水紋」を探して
極楽寺の門の鎖樋から地面に広がる水たまりには、雨が落ちた瞬間に生まれる波紋という自然のアートもあります。これも梅雨時期ならではのスナップ素材。
波紋をきれいに表現するためには、シャッタースピードに気を付けなければいけません。多少ISO感度を上げてでもいいので1/1000秒以上のスピードで撮影しましょう。

傘をさしている時間でも、足元への意識を忘れずに。見落としがちな風景に、意外な撮れ高が隠れています。
まとめ|紫陽花は「街の詩」になる
今回ご紹介以外にも、アジサイは撮り方次第で接写、構図、人物との組み合わせ、足元まで、あらゆるバリエーションで楽しめます。
これから来たるアジサイのシーズン、ぜひ一度鎌倉・極楽寺エリアを訪れ、カメラ片手に「自分だけの一枚」を切り取ってみてください。