【入賞報告】第35回三渓園フォトコンテスト努力賞受賞!獅子舞撮影の裏側とテクニックを全公開

横浜の「三渓園」で開催された第35回三渓園フォトコンテストにて、私の作品が努力賞を受賞しました!偶然居合わせた獅子舞の公演で撮影した一枚が、まさかの入賞となりました。
今回は撮影の裏側から機材選び、RAW現像のコツまで、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
▶前回の記事はこちら
「📘初めてのカメラ教室|初心者向け使い方」シリーズの前回記事はこちら↓

第35回 三渓園フォトコンテスト
今回のコンテストについて
三渓園は、横浜を代表する日本庭園として知られ、四季折々の風景と歴史的建造物が魅力のスポットです。フォトコンテストは毎年開催されています。
第35回となる今回のテーマは「季節の音」。視覚だけでなく、聴覚をも刺激するような作品が求められました。
獅子舞で応募した理由
この作品は計画的に撮りに行ったものではありません。2025年4月29日、三渓園を訪れた際に横濱本牧囃子連による公演が行われていたのを、偶然撮影したものです。
獅子舞の激しい動きと白く輝く毛並み、愉快なお囃子を見た時にシャッターチャンスと思いました。カメラを構えたのは昼下がり。春の柔らかい日差しが、獅子舞を美しく照らしていました。
撮影の裏側|場所・時間帯・狙い
撮影地|横浜「三渓園」の魅力
三渓園は、明治時代の実業家・原三溪によって造られた広大な日本庭園です。約17万5000平方メートルの敷地内には、京都や鎌倉から移築された歴史的建造物が点在し、国の重要文化財も多数含まれています。
四季を通じて美しい風景が楽しめる三渓園は、写真撮影のロケーションとしても最高です。桜、新緑、紅葉、梅……どの季節に訪れても被写体に困りません。

年パスも2500円(3回分)なので、季節ごとに訪れても元が取れます。

日時と状況
- 撮影日:2025年4月29日
- 撮影時刻:14:00頃
- 天候:晴天
- イベント:横濱本牧囃子連による獅子舞公演
午後の時間帯は、太陽が斜めから差し込むため、立体感のある写真が撮りやすくなります。今回は獅子舞の毛が逆光で透けるような瞬間を狙いました。
カメラ設定の基本思想
そもそもの撮影コンセプトは、「中望遠でクローズアップして質感を出す」でした。そのため、今回の三渓園への来訪はSEL70200GM2を用いたスナップを目的としていました。
獅子舞の撮影では、全体を収めるのではなく、あえて顔や毛並みにグッと寄ることで、迫力と質感を強調しました。中望遠レンズの距離感を生かし、観客の後ろから邪魔にならないよう撮影にも気を付けました。
使用機材とその選択理由
カメラ|Sony α7IV
Sony α7IVは、約3300万画素のフルサイズセンサーを搭載したミラーレス一眼カメラです。高画質と高速オートフォーカスを両立し、動き物の撮影にも強いのが特徴です。
今回のような獅子舞の激しい動きでも、AFがしっかり被写体を捉えてくれます。また、RAW現像を前提とした撮影では、ダイナミックレンジの広さが大きなアドバンテージとなります。
レンズ|SEL70200GM2
SEL70200GM2は、ソニーのGマスターシリーズに属する大三元望遠ズームレンズです。70-200mmの焦点距離をカバーし、開放F値2.8という明るさが魅力です。
- 中望遠域でのスナップ撮影を試したかった
- F2.8の明るさで背景をしっかりボカせる
- AFが高速で、動き物に強い
- 圧縮効果で被写体を際立たせられる
偶然居合わせたイベントでしたが、この機材のおかげで作品として耐えうるクオリティの写真を撮ることができました。
撮影のポイント|構図と光の使い方
構図の意図|あえて切り取る大胆さ
この作品の最大の特徴は、獅子舞が画面全体に収まらず、端が切れている構図です。
通常、被写体は画面内に収めるのがセオリーですが、今回はあえてそれを破りました。理由は、躍動感と迫力を最大限に表現するためです。
画面からはみ出すことで、「この瞬間の勢いはフレームに収まりきらない」というメッセージを伝えられます。また、視線が自然と毛並みの質感や金色の獅子頭に向かうよう考えています。
光の読み方|逆光を味方につける
光の使い方は写真の印象を大きく左右します。今回は逆光を積極的に活用しました。
結果論ではありますが、こうした偶然の光も見逃さず活かすことが、印象的な作品づくりには欠かせません。
作品作りで気をつけた点|RAW現像の工夫
色の方向性|「Teal & Orange」調への調整
私の写真の特徴は、「Teal & Orange」と呼ばれる色調です。これは、シャドー部に青緑(ティール)を入れ、ハイライト部にオレンジ系の暖色を配置する手法で、最近のドラマや映画でよく見ます。
コントラストと明瞭度の調整
獅子舞の毛の質感を際立たせるため、以下の調整を行いました。
- コントラスト:やや高めに設定し、明暗差をはっきりさせる
- 明瞭度:適度に上げて、毛並みのディテールを強調
- シャドウ:持ち上げすぎず、立体感を残す
- ハイライト:白飛びしないよう抑える
大切なのは、不自然にならないよう、自分の絵柄を保ちながら調整することです。やりすぎは禁物。写真が「作り物」に見えてしまっては本末転倒です。
初心者向けアドバイス|三渓園撮影とフォトコンのコツ
三渓園での撮影で気をつけること
三渓園は撮影スポットとして人気ですが、いくつかルールがあります。
三脚の使用は禁止
三渓園では、他の来園者の迷惑にならないよう、三脚の使用が禁止されています。手持ち撮影が基本となるため、手ブレ補正機能のあるカメラやレンズがおすすめです。
また、混雑時には周囲への配慮も大切です。一箇所に長時間留まらない、他の人の視界を遮らないなど、基本的なマナーを守りましょう。
混雑時の立ち回りと肖像権への配慮
イベント撮影では、他の観客が写り込む可能性があります。
- 不特定多数が写り込む程度なら問題ない場合が多い
- 特定の人物がメインになる場合は注意が必要
- 子供の顔が大きく写る場合は特に配慮を
- SNSやコンテスト応募時は、人物が写っていないか確認する
初心者でも再現できるシンプル構図
「構図が難しい」と感じる初心者の方には、日の丸構図をおすすめします。被写体を画面の中央に配置するシンプルな構図です。
日の丸構図のメリット
- シンプルで分かりやすい
- 被写体に視線が集中しやすい
- 安定感がある
- 初心者でも失敗しにくい

「日の丸構図は初心者っぽい」と敬遠されがちですが、使い方次第では非常に効果的です。まずは基本を押さえてから、徐々に三分割法や対角線構図などに挑戦していきましょう。
フォトコンを目指す人への心構え
フォトコンは倍率が高く、入賞確率は決して高くありません。でも、だからこそ出さなければ可能性はゼロです。
- 「この写真で大丈夫かな?」と迷ったら、とりあえず応募する
- 確率は気にしない。経験値を積むことが大切
- 入賞しなくても、審査員の視点を学べる
- 応募作品を作る過程で、撮影スキルが向上する
私は今回が初入賞です。写真歴は8年くらいあるのにも関わらずです。これは明らかにフォトコンへの意識が低いからでしょう。

まずは出してみる。それがフォトコン入賞への道筋です。
まとめ|偶然を作品に変える力
今回の入賞は、偶然居合わせたイベントを逃さずシャッターを切ったことから始まりました。しかし、その偶然を作品に昇華できたのは、日頃から「良い写真を撮りたい」という意識と、機材の使い方を理解していたからこそだと思います。
フォトコンテストは誰でも挑戦できます。特別な才能や高額な機材がなくても、工夫次第で素晴らしい作品は撮れます。
この記事が、あなたの写真ライフの一助となれば幸いです。次回もお楽しみに!
設定や機能の使い方が分かってきたら、あとは実際に撮影を楽しむだけです。
特別な場所ではなくても、構図や光の意識だけで日常が作品に変わります。
今日から実践できる撮り方のコツをまとめたので、まずは歩きながら撮ってみよう。













