新しく買ったカメラ、だんだん写真に黒い点が写るようになったり、なんだかボヤけて見えるようになったりしていませんか?それはカメラのメンテナンス不足が原因かもしれません。この記事では、カメラ初心者の方でも安心してできるメンテナンス方法を、失敗しないコツとともにわかりやすく解説します。
まず結論から言うと、カメラのメンテナンスは思っているより簡単で、定期的に行うことで写真の品質を維持し、カメラを長持ちさせることが可能です。正しい道具と手順を覚えれば、初心者の方でも安全にお手入れできます。
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カメラメンテナンスの基本知識
なぜメンテナンスが必要なの?
カメラは精密機器であり、使用すると様々な部分に必然的にホコリや汚れが付着します。ニコンの公式ページでも解説されているように、放置すると以下の問題が発生する恐れがあります:
- 写真に黒い点やシミが写る(センサーの汚れ)
- 画像がボヤける(レンズの汚れ)
- カビの発生(湿気による)
- 機械の動作不良(ボタンやダイヤル部分の汚れ)
メンテナンスの頻度は?
部位 | 頻度 | 目安 |
---|---|---|
レンズ表面 | 撮影毎 | 汚れや指紋がついた時 |
カメラボディ | 週1回 | 使用後の基本清掃 |
センサー | 月1回 | 黒い点が写るようになったら |
全体点検 | 月1回 | 動作確認とあわせて |
必要な道具を揃えよう
まずは基本的なメンテナンス用品を揃えましょう。最初は全て揃える必要はありませんが、順次追加していくのがおすすめです。
初心者必須の3つ道具
1. ブロアー(必須度:★★★)
空気でホコリやゴミを吹き飛ばすための道具です。スプレー式は故障の原因になるため、手動式を選びましょう。
2. クリーニングクロス(必須度:★★★)
レンズやボディを拭くための専用クロスです。マイクロファイバー素材で洗って繰り返し使えるものがおすすめです。
3. レンズペン(必須度:★★☆)
レンズの頑固な汚れを除去するための専用ツール。片方がブラシ、もう片方がクリーニングチップになっています。
上級者向けの道具
4. レンズクリーニング液
レンズクロスだけでは落ちない汚れに使用します。レンズに直接かけず、必ずクロスに染み込ませて使いましょう。
私は無水エタノールを使っているよ。薬局で買えるのでとても手軽。合わせて、シルボン紙を購入しています。
5. センサー清掃キット
センサー清掃用のスワブと専用液。キヤノンの公式ガイドでも紹介されているように、慣れない間は避けた方が無難です。というより、センサーの清掃については、プロの清掃(メンテナンス)に出す方がよいです。
レンズの掃除方法【基本編】
レンズは写真の画質に直結する重要な部分です。正しい手順で清掃しましょう。
手順1: ホコリを吹き飛ばす
- ブロアーを使って、レンズ表面のホコリやゴミを吹き飛ばします
- ブロアーは斜め上から当て、ホコリが下に落ちるようにします
- レンズキャップの内側も忘れずに清掃しましょう
手順2: クロスで拭き取り
- きれいなクリーニングクロスを用意します
- レンズの中央から外側に向かって円を描くように拭きます
- 往復させず、一方向に拭くのがコツです
手順3: 頑固な汚れはレンズペンで
- クロスで落ちない汚れがある場合のみ使用します
- まずブラシ側でホコリを取り除きます
- クリーニングチップで軽く汚れを除去します
⚠️ レンズ清掃の注意点
- ティッシュや服での乾拭きは絶対NG(傷の原因)
- 息を吹きかけない(水分とゴミが付着)
- 力を入れすぎない(コーティング剥がれの原因)
- 汚れたクロスは使わない(汚れを擦り付ける原因)
カメラボディ(外装)の掃除方法
外装の清掃は比較的簡単で、初心者でも安心して行えます。
基本的な清掃手順
1. 大きなゴミを除去
- ブラシで大きなホコリやゴミを払い落とします
- ボタンや隙間に溜まったゴミも丁寧に除去します
- カメラを下向きにして作業するとゴミが落ちやすくなります
2. ブロアーで仕上げ
- 細かい部分のホコリをブロアーで吹き飛ばします
- レンズマウント部分も忘れずに清掃しましょう
3. 液晶モニターの清掃
- まずブロアーでホコリを除去
- クリーニングクロスで優しく拭き取ります
- 画面保護フィルムが貼ってある場合は特に優しく拭きましょう
見落としがちな清掃ポイント
- ストラップ取り付け部:汚れが溜まりやすい
- バッテリー室:接点の汚れは動作不良の原因
- SDカードスロット:ホコリが入りやすい
- ファインダー接眼部:皮脂汚れが付きやすい
センサークリーニング【初心者向け安全ガイド】
センサークリーニングは最も慎重に行うべきメンテナンスです。初心者の方は、まず自動清掃機能を試し、それでも改善しない場合にセルフクリーニングを検討しましょう。
ぶっちゃけ、セルフクリーニングもかなりリスク高いので、おすすめしません。業者のメンテナンスにお願いする方が安心だったりします。
カメラのキタムラでもセンサークリーニング(有料:3000円くらい)で実施しています。
https://www.kitamura.jp/service/maintenance/
まずは汚れの確認から
センサーの汚れチェック方法
- カメラ設定:絞り優先モード(A/Av)、絞り最大(F16~22)、マニュアルフォーカス
- 撮影対象:白い紙や壁、明るい空
- 確認方法:撮影した画像を100%表示で確認
- 汚れの特徴:同じ位置に現れる黒い点や線

自動清掃機能を活用
最近のカメラには自動センサークリーニング機能が搭載されています。ソニーの公式ガイドでも推奨されているように、まずはこの機能を使いましょう。
セルフクリーニングの注意点
以下の条件が揃った場合のみ、セルフクリーニングを検討してください:
- 自動清掃で改善しない
- 十分な時間と集中力がある
- 専用の道具が揃っている
- 失敗時のリスクを理解している
重要!!:何度も記載しますが、センサークリーニングに不安がある方は、無理をせずカメラ店やメーカーサービスセンターに依頼しましょう。費用は3,000円程度で、プロが安全に清掃してくれます。
プロに依頼すべき場合
- 初めてのセンサークリーニング
- 汚れがひどく、複数回の清掃が必要そうな場合
- 高価なカメラを使用している場合
- 重要な撮影を控えている場合
メンテナンス後の動作確認
清掃が完了したら、必ず動作確認を行いましょう。
基本的な動作チェックリスト
- 電源・バッテリー確認
- 正常に電源が入るか
- バッテリー残量表示は正しいか
- 撮影機能確認
- オートフォーカスは正常に動作するか
- シャッターは正常に切れるか
- 各種設定ダイヤルは正常に動作するか
- 画質確認
- 撮影した画像にゴミや汚れは写っていないか
- ピントは正確に合っているか
- 露出は適正か
よくあるトラブルと対処法
Q: 清掃後、かえって汚れが目立つようになった
A: 使用したクロスが汚れていた可能性があります。きれいなクロスで再度拭き直し、それでも改善しない場合はプロに相談しましょう。
Q: レンズに傷をつけてしまった
A: 軽微な傷であれば撮影には大きく影響しません。深い傷の場合は修理が必要になるので、メーカーサービスセンターに相談してください。
Q: センサークリーニング後、AF(オートフォーカス)が不調
A: 清掃時にセンサー周辺の精密部品に影響を与えた可能性があります。すぐに電源を切り、プロに点検を依頼しましょう。
定期メンテナンスのスケジュール
計画的なメンテナンスで、カメラを最良の状態に保ちましょう。
日常的なケア(撮影毎)
- レンズキャップの装着
- レンズ表面の汚れチェック
- ストラップの確認
- バッテリー残量の確認
週1回のメンテナンス
- ボディ外装の清掃
- レンズの基本清掃
- 液晶モニターの清掃
- メモリーカードの確認
月1回の総合点検
- センサーの汚れチェック
- 動作確認
- レンズの詳細清掃
- 保管環境の確認
保管時の注意点
日頃の保管方法も、メンテナンスの一環として重要です。
基本的な保管ルール
- 湿度管理:湿度40-50%を保つ(ドライボックスまたは除湿剤使用)
- 温度管理:急激な温度変化を避ける
- 直射日光回避:日光の当たらない場所に保管
- 定期使用:月1回は電源を入れて動作確認
長期保管時の注意
- バッテリーは抜く(液漏れ防止)
- レンズとボディは分離(マウント部への負荷軽減)
- 各キャップを装着(ホコリ侵入防止)
- 定期的な換気(カビ発生防止)
まとめ|安全で効果的なメンテナンスを身につけよう
カメラのメンテナンスは、正しい知識と道具があれば初心者でも安全に行えます。重要なポイントをまとめると:
📝 メンテナンスの基本方針
- 段階的にスキルアップ → まずは簡単な外装清掃から
- 適切な道具を使用 → ブロアー、クロス、レンズペンが基本
- 無理は禁物 → 不安な作業はプロに依頼
- 定期的な実施 → 週1回の基本清掃、月1回の総合点検
最初は戸惑うこともあるかもしれませんが、継続することで必ずスキルアップできます。大切なのは、カメラを大事に扱う気持ちです。
メンテナンスを通じて機材への理解が深まり、より良い写真撮影につながることでしょう。ぜひ今日から、愛機のお手入れを始めてみてください!
次回の「📘初めてのカメラ教室|初心者向け使い方」シリーズもお楽しみに!