大迫力の飛行機を間近で撮影したい、でもどこで撮ればいいのかわからない——そんな悩みを持つカメラ愛好家の皆さんに朗報です。今回は、撮影スポット探訪記シリーズとして、羽田空港のすぐそばにある「羽田イノベーションシティ」と「981番スポット」という2つの絶好の撮影ポイントをご紹介します。空を飛ぶ航空機を地上から存分に楽しめる場所で、カメラの腕を磨きましょう!
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羽田イノベーションシティの立地とアクセス
羽田イノベーションシティ(HANEDA INNOVATION CITY)は、羽田空港から至近距離にある複合施設です。飛行機の発着が間近に見られる絶好のロケーションにあり、航空ファンにとっては見逃せないスポットです。

地図リンク:羽田イノベーションシティ
羽田空港からの距離
羽田イノベーションシティは羽田空港国際線ターミナルから徒歩約20分、羽田空港第1・第2ターミナルからは電車で約5分(天空橋駅下車)の場所に位置しています。B滑走路が目の前にあるため、離着陸する飛行機を間近で観察できる絶好のロケーションです。

電車でのアクセス
公共交通機関を利用する場合、最寄り駅は東京モノレール・京急線の「天空橋駅」です。駅から徒歩約3分で施設に到着できます。
- 東京モノレール:浜松町駅から天空橋駅まで約13分(290円)
- 京急線:品川駅から天空橋駅まで約15分(300円)


車でのアクセス・駐車場情報
車でアクセスする場合は、首都高速1号羽田線「空港西」出口から約5分です。施設内には190台収容可能な駐車場があります。
または首都高速1号羽田線「羽田IC」出口からでもあまり変わりません。横浜方面の方からしたらそちらの方が近いでしょう。
駐車場料金体系:
- 入庫から30分無料
- 通常料金:220円/30分、24時間以降は440円/60分
- 最大料金:3,080円/24時間
- 施設内店舗利用で追加30分無料(レシート提示)

この駐車場はかなり最新で、駐車券は発券されません。入庫時にナンバーを写真で記録され、事前精算時に自分の車のナンバーを入力して特定→精算という流れでした。(とても楽!)
使用機材
今回の撮影には以下の機材を使用しました:
- カメラ:Sony α7Ⅳ
- レンズ:SEL70200GM2(FE 70-200mm F2.8 GM OSS II)
- 三脚:夜間撮影用
- クロスフィルター:夜間撮影時の光源効果用
SEL70200GM2は望遠域での撮影に最適で、飛行機のような動きの速い被写体の撮影でも高速AFと優れた手ブレ補正により、クリアな画像を得ることができます。重量も約1,045gと従来モデルから約29%軽量化されており、長時間の撮影でも疲れにくいのが特徴です。
飛行機が撮影できるスポット2選
羽田イノベーションシティ 足湯スカイデッキ
羽田イノベーションシティ内で最もおすすめの撮影スポットは「足湯スカイデッキ」です。ZONE Eの屋上に位置するこの場所からは、B滑走路を離着陸する飛行機を間近に見ることができます。

足湯スカイデッキの基本情報:
- 営業時間:5:30~23:30
- 利用料金:無料
- アクセス:天空橋駅から徒歩約3分、施設内ZONE Eの屋上
このスポットの特徴は、滑走路が近いため飛行機が大きく撮影できることです。特に南風運用時(B滑走路16R/34L使用時)には、離陸する飛行機を真下から捉えることができます。オープンエアの環境で、足湯に浸かりながらリラックスして撮影できる点も魅力です。
私が訪れたのは7月中旬ということで、夏の暑さもあり、足湯客はそこまで多くなかったかな。とはいえ、日陰も出来ていて、結構涼しかったので足湯に入ってみてもよかったなと後悔してる。(限定足湯タオルほしい)

羽田空港 981番スポット
もう一つの穴場スポットが「981番スポット」です。これは羽田空港の駐機スポットの名称で、環状八号線沿いの歩道から間近に飛行機を見ることができます。通常、駐機している飛行機を至近距離で見られる場所は空港内の制限区域ですが、この981番スポットは一般道路から見ることができる珍しい場所です。

地図リンク:981番スポット
981番スポットの基本情報:
- 場所:天空橋駅前交差点付近、環状八号線沿いの歩道
- アクセス:天空橋駅から徒歩約3分
- 撮影可能時間:24時間(公道のため時間制限なし)
このスポットでは、駐機中の飛行機を背景に都市の風景を入れた構図や、タキシングする飛行機の様子を撮影することができます。公道からの撮影となるため、混雑時は歩行者の通行を妨げないよう配慮しましょう。

私が訪れた夕方のタイミングでは駐機していなかったので、夜に再訪。公道に面して近くに止まっている旅客機は存在感がデカい!
撮影テクニック
それでは、羽田イノベーションシティと981番スポットでの撮影テクニックをご紹介します。時間帯によって表現方法を変え、多彩な飛行機写真の撮影にチャレンジしましょう。(私も飛行機は初心者)
昼間の撮影テクニック
離陸時を狙う
昼間の撮影では、特に離陸する瞬間の飛行機を狙うと迫力ある写真が撮れます。焦点距離200mmのような望遠レンズを使うことで、離陸時の迫力ある姿を捉えることができます。
撮影設定の目安:
- シャッタースピード:1/1000秒以上(飛行機の動きをフリーズさせるため)
- 絞り:F5.6~F8(被写界深度を確保しつつ、レンズの高性能を活かす)
- ISO感度:100~400(晴天時)
- 撮影モード:シャッター優先(Sモード)または絞り優先(Aモード)


真下から撮る
足湯スカイデッキの絶好のロケーションを活かし、頭上を通過する飛行機を真下から撮影するテクニックです。これにより、普段見ることのできない飛行機の腹部を捉えることができます。
撮影のポイント:
- 広角レンズに切り替えて、飛行機と周囲の空や雲を一緒に収める
- 飛行機の通過を予測し、少し前から構えておく
- 連写モードを活用して、ベストな瞬間を逃さない
- 晴れた日を選び、空の青さとのコントラストを強調する

後ろ姿を撮る
離陸後の飛行機を追いかけるように撮影する「後ろ姿撮影」も魅力的です。焦点距離200mmの望遠域を活かし、遠ざかる飛行機の雄大な姿を収めましょう。
テクニック:
- パンニング(流し撮り)技術を使って飛行機を追う
- 背景にある雲や空の青さとのバランスを考慮
- 太陽光の角度を意識し、機体に当たる光を活かす
SEL70200GM2は流し撮りにも対応した手ブレ補正機能を搭載しているため、パンニング撮影でもシャープな画像を得ることができます。また、軽量設計のため、飛行機を追う動作も楽に行えます。

夜間の撮影テクニック
長秒露光
夜間撮影では、長秒露光を活用することで幻想的な飛行機写真を撮影できます。特に滑走路のライトや機体のポジションライトが美しく輝きます。
撮影設定:
- シャッタースピード:1~30秒(表現したい効果によって調整)
- 絞り:F8~F11(ピント深度を確保)
- ISO感度:100~400(ノイズを抑える)
- 撮影モード:マニュアル(M)
- 必須アイテム:三脚(手ブレを防止)

長秒露光で撮影する際のポイントは、三脚をしっかりと固定し、リモートシャッターやセルフタイマーを使用してブレを防ぐことです。また、風の少ない日を選ぶと、より鮮明な写真が撮れます。
この日は風が強くかなりブレてしまいました。200mm側で撮影したこともあり、よりブレが目立っている…反省と研究が必要だ。
合成写真(比較明)
複数の飛行機を一枚の写真に収めた上記のような写真の場合は、「比較明合成」というテクニックが効果的です。これは、同じ構図で撮影した複数枚の写真から、最も明るい部分だけを抽出して合成する方法です。
撮影と合成の手順:
- 三脚を使って構図を固定
- 同じ設定で複数の飛行機を別々に撮影
- Photoshopなどの画像編集ソフトで「比較明」モードを使って合成
このテクニックを使えば、一晩の間に離着陸した複数の飛行機を1枚の写真に収めることができ、非常に印象的な作品を作ることができます。
ちょっとしたズレも許されないので、「セルフタイマーで5枚連続撮影」などの設定を使うとよいでしょう。
クロスフィルターの活用
夜間撮影では、クロスフィルターを使用することで、飛行機のライトや周囲の光源から放射状の光条を作り出すことができます。これにより、より幻想的で華やかな夜景写真になります。どんな画ができるかはわからないので、挑戦してみましょう。
クロスフィルター使用のポイント:
- 点光源(飛行機のライトや街灯など)に効果が現れる
- 暗い環境ほど効果が強く出る
- フィルターを回転させることで光条の角度を調整できる
- 絞りを調整することで光条の太さを変えられる(絞り値が小さいほど太く、大きいほど細くなる)

…
何が何だかよくわかりませんね。通常のクロスフィルターでは光芒が大きくなってしまうので、控えめなクロスフィルターを利用する方がよいでしょう。
また、割と光源が多いので画面がうるさく感じるかもしれませんね。
研究が必要です。
アプリの活用(Flightradar24)
飛行機を撮影していて気づいたのは、飛んでいる飛行機のサイズが結構まちまちだったこと。今回の撮影での一番の後悔は、おそらくこの日最大級の旅客機(ボーイング777あたりでしょうか)が飛び立った瞬間です。そのサイズと轟音、そして陽炎のようなもの。その後同じレベルのものが出てこなかったことから、完全にシャッターチャンスを逃した瞬間でした。
そんな時はあらかじめどんな飛行機が飛ぶのかをチェックしておくとよいでしょう。
そこで利用するのが「Flightradar24」というアプリです。

無料で利用でき、リアルタイムで反映されるので、これから飛び立つ飛行機の目星がつきます。飛行機のアイコンをタップすれば、その飛行機の型番や行き先などが明記されているので、飛行機自体のサイズ感や、どちらの滑走路で離陸するのか。そもそも、到着した飛行機なのか、などの判断がつきます。
撮影時の注意点
飛行機撮影を楽しむ際にも、いくつかのマナーやルールを守ることが大切です。
- 公共の場での撮影では、他の観光客や通行人の迷惑にならないよう配慮する
- 三脚を使用する際は、通行の妨げにならない場所に設置する
- 足湯スカイデッキでは、他の利用者にも配慮し、長時間の場所取りは避ける
- 空港周辺での撮影は、セキュリティ上の理由から監視されている場合があるため、不審な行動は避ける
- 立入禁止区域には絶対に入らない(絶対!)
また、天候によって飛行機の運行状況や離着陸する滑走路が変わることがあります。事前に風向きや滑走路の運用状況を確認しておくと、より効率的に撮影できるでしょう。
まとめ
羽田イノベーションシティと981番スポットは、飛行機撮影を楽しむための絶好のロケーションです。これらのスポットでは、離着陸する飛行機から駐機中の機体まで、様々な表情の航空機を撮影することができます。
昼間は高速シャッターでクリアな飛行機の姿を、夜間は長秒露光やクロスフィルターを駆使して幻想的な光の世界を切り取りましょう。Sony α7ⅣとSEL70200GM2の組み合わせは、高速で動く飛行機の撮影に最適で、初心者から上級者まで満足のいく写真が撮影できるでしょう。
また、足湯スカイデッキでは、撮影の合間に足湯でリラックスしながら空を見上げる贅沢な時間も楽しめます。カメラ愛好家だけでなく、家族連れでも楽しめるスポットなので、ぜひ一度訪れてみてください。
羽田イノベーションシティと981番スポットで、あなただけの素晴らしい飛行機写真を撮影してみませんか?新たな撮影の喜びが、きっとあなたを待っています。



