都会の風景を切り取るスナップ撮影。「どこで撮ればいいのか分からない」という声をよく聞きます。そこで今回は、東京の中心地、東京駅周辺のスナップ写真撮影スポットを厳選してご紹介します。国際的な観光地でもある東京駅周辺は、歴史的建造物と近代的な高層ビルが共存する、写真撮影に最適なエリア。カメラ初心者から上級者まで楽しめる撮影ポイントをご紹介します。
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撮影ルートと使用機材
撮影ルート
今回は2025年夏の平日夕方から夜にかけて、以下の4つのスポットを巡る撮影ルートを組みました。総撮影時間は2時間でした。待機の時間もあったので、うまく組めばもう1スポット訪れることができたかもしれませんね。
- KITTE(18:30〜)
- 屋上庭園:東京駅丸の内駅舎を側面から、夕日に反射する東京の高層ビルたち
- 東京中央郵便局長室:KITTE内から見える東京駅宿舎の撮影
- KITTEビル内部:格子柄のきれいな反射のあるビル内
- 行幸通り(19:00~):通り脇に座ってチルする人々、望遠を使った駅舎正面の圧縮のある撮影
- 和田倉噴水公園(19:30〜):水面に映る夜景と噴水を三脚を使って長秒露光
- 東京駅前BEAMS(20:30~):店の光と、通る車の光跡を撮る

使用機材
使用機材は以下の通りです:
- カメラ:Sony α7IV
- レンズ:SEL24F14GM(広角)、SEL70200GM2(望遠)
- アクセサリー:VANGUARD VEO 3GO 235 CB トラベル三脚(軽量カーボン製)、クロスフィルター
東京駅周辺は建築物の撮影が中心となるため、広角レンズと望遠レンズの2本があれば十分対応できます。駅舎全体を収めるには16-35mmの広角が、ディテールや圧縮効果を狙うなら70-200mmの望遠がおすすめです。また、夜間の長秒露光撮影には三脚が必須です。
人の少ない時間帯を狙うなら、早朝か平日の夕方がおすすめ。週末は観光客で混雑することが多い。気にせず撮るなら夜の方がライトアップされていて、見栄えはいいかも。
KITTE|東京駅の全貌を撮影する
KITTEは旧東京中央郵便局を改装した商業施設で、6階にある屋上庭園からは、赤レンガの歴史的建造物である東京駅丸の内駅舎を間近に眺めることができます。特に夕暮れから夜にかけてのライトアップされた駅舎は圧巻です。
KITTEの屋上から西日の当たる東京駅舎やビル
最初の撮影スポットは、JR東京駅から徒歩1分の「KITTE屋上庭園(KITTEガーデン)」です。ここは東京駅丸の内駅舎を正面から撮影できる絶好のロケーションで、無料で利用できる展望スペースとなっています。

撮影のコツ:
- 営業時間:[平日]11:00~23:00 [土日祝]11:00~22:00(※東京駅のライトアップは21:00まで)
- 広角レンズ(16-35mm)で駅舎全体を収める
- 手すりを利用して安定させて撮影(三脚は使用禁止)
- 日没後30分〜1時間が駅舎とビルの明かりのバランスが最も美しい「マジックアワー」
作例:


KITTE内東京中央郵便局長室から東京駅舎を狙う
KITTEには旧郵便局長室というものが展示されています。部屋に入る前から見える光景にワクワクし、撮影カットは少ないもののまさにエモい情景がそこには映っています。できるだけ広角なレンズを利用することで雰囲気が出ると思います。

【番外編】KITTEビル内部のキラキラを狙う
久しぶりに訪れたKITTEの中で写真家心をくすぐられたのは、そのビル内部の吹き抜けの構造です。ただ吹き抜けになっているだけでなく、乱反射した格子型の模様が不思議な光景を生み出していました。

基本商業施設なため、その場を占有しての無配慮な撮影は控えましょう。
買い物客やそこで商売をする店員さんに極限に迷惑にならないような行動で素早く撮影することが大切かと思います。
地図リンク:Googleマップで場所を確認
行幸通り|遠くから見える東京駅を望遠で圧縮
2つ目のスポットは、行幸通りから東京駅舎を狙います。
シンメトリーになっており、抜け感も抜群で望遠レンズで撮るだけで写真がうまくなったと勘違いするほどいい写真が撮れます。
撮影のコツ:
- 時間:制限なし
- 望遠レンズ(70-200mm程度)が使いやすい
- 遠くから手前のものまで圧縮して入れると迫力のある写真に
- 混雑していなければ三脚をして固定をすると撮影に安定感が出る
作例:


結婚式の前撮りにもよく使われるロケーションです。商業的な撮影はスケジュールもタイトなはずなので、配慮をするのがマナーです。三脚などで場所を長い時間占有しないよう気を付けましょう。
地図リンク:Googleマップで場所を確認
和田倉噴水公園|水面に映る光景と噴水の表現
最後のスポットは、東京駅から徒歩15分ほどの「和田倉噴水公園」です。皇居外苑にあるこの公園では、水面に映り込むビルの夜景や、噴水のダイナミックな水流を撮影できます。
和田倉噴水公園の大噴水は高さ約8.5mまで吹き上げ、夜はライトアップされて幻想的な雰囲気に包まれます。公園全体が緑豊かで、都心とは思えない開放感もあります。

撮影のコツ:
- 噴水の稼働時間:10:00~20:00(季節により変動あり)
- 三脚を使った長秒露光で水の動きを表現
- シャッタースピード:噴水の動きをフリーズさせるなら1/500秒以上、滑らかに流れを表現するなら1/30秒以下
- 風が弱い日を選ぶと水面の反射がきれいに撮れる
- 周囲のビル群との対比を意識した構図も面白い
作例:

私が撮影したタイミングでは中央の噴水のタイミングがなく、撮影ができなかった(残念)
地図リンク:Googleマップで場所を確認
東京駅前BEAMS|光るネオン看板と車の光跡
この日の最後は東京駅へ戻り、道路の反対側に大きく看板を出している「BEAMS」を背景にスローシャッターをしてみました。車通りもそれなりにあるので、ヘッドライトやテールランプが光跡(レーザーのよう)に映ります。
撮影のコツ:
- 三脚を使った長秒露光で車の光跡を表現
- シャッタースピードは1/10秒以下
- 広角レンズを使用してダイナミックな画に
- 三脚の位置も低めに設定することで普段は見れない表現が可能に
作例:

地図リンク:Googleマップで場所を確認
撮影テクニック|時間帯による光の変化を生かす
東京駅周辺の撮影では、時間帯による光の変化を生かすことで、より印象的な写真を撮ることができます。
1. ゴールデンアワーを狙う
日没前後約1時間の「ゴールデンアワー」は、柔らかい自然光で建物が美しく輝きます。特に東京駅の赤レンガはこの時間帯の光で色味が際立ちます。
2. ブルーアワーでのコントラスト
日没後約20分〜30分の「ブルーアワー」は、空がまだ深い青色をしている時間帯。建物のライトアップとのコントラストが美しく、特にKITTEからの東京駅撮影に最適です。
3. 雨上がりのリフレクション
雨上がりの濡れた路面は天然の鏡として機能し、建物や光を映し出します。特に東京駅前広場や丸の内仲通りでは、路面反射を利用した構図が狙い目です。
4. 四季の変化を活用
東京駅周辺は季節によって表情が変わります。春は桜、冬はイルミネーションなど、季節の要素を取り入れることでより魅力的なスナップ写真になります。
スナップ写真は瞬間を切り取る芸術。計画的に撮影スポットを巡るのも良いんですけど、移動途中で見つけた光景を即興で撮るのも楽しみ方の一つ。カメラ設定を素早く調整できるよう普段から練習しておくと、チャンスを逃さず満足できる結果になりますよ。
まとめ|東京駅周辺は一日中撮影を楽しめる宝庫
東京駅周辺は、歴史的建造物と近代的ビル群が共存する、スナップ写真の宝庫です。今回紹介した4つのスポットは、それぞれ異なる表情の東京駅を楽しめる場所です。特に時間帯や季節によって様々な表情を見せるので、何度訪れても新たな発見があるでしょう。
初心者の方は、まずKITTE屋上庭園から始めて、徐々に他のスポットを探索してみてください。慣れてきたら、本記事で紹介した長秒露光などの技法にも挑戦してみましょう。
次回も「🏙 撮影スポット探訪記|カメラ片手に歩く街角」シリーズをどうぞお楽しみに。


